会場で非常に目立つデモを行っていたのが人機一体。同社の「零式人機 ver.2.0(ミニポルンガ)」は、高所での重作業を人間に代わって行えるという双腕ロボットである。高所作業車のブームの先端に搭載されており、荷台のコックピットから操縦が可能。これなら、人間はより安全に、疲れずに作業できるというわけだ。
同社は、ロボットの操縦にバイラテラルの制御技術を採用。コントローラーの動きをロボット側に伝えるだけでなく、物体に触れたときの抵抗など、ロボット側からのフィードバックも受けることで、より感覚的な操作を実現している。パワーも増幅するので、操縦者は軽い力で楽々とロボットを動かすことができる。
7自由度のアームの先にグリッパーを搭載。頭部にはステレオカメラがあり、操縦者はヘッドマウントディスプレイを装着することで、その場所にいるような感覚で作業ができる。今回初公開されたver.2.0では、各関節にトルクセンサーを追加。より正確に力を感じられるようになり、デモではパイプを器用に持ち直す様子を披露していた。
同社はこの「空間重作業人機」の開発において、JR西日本と日本信号の2社と協力。JR西日本は鉄道インフラのメンテナンスに活用するユーザー企業、日本信号は製造や製品化を行うメーカー企業としての役割が期待されている。
注目したいのは、このビジネスモデル「人機プラットフォーム」だ。同社のようなベンチャーがロボットの製造、販売、保守まで自社で行おうとすれば、巨額の初期投資が必要になってしまう。しかしこの方式であれば、強みを持つ基幹技術の提供に専念することができ、さまざまな分野に対し、より早く製品を提供することが可能となるだろう。
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