セイコーエプソンは、A-Dコンバーターを内蔵した、16ビットマイクロコントローラー「S1C17M02」「S1C17M03」を開発した。各種計測モード対応の専用回路など、デジタルマルチメーターの構成に必要な機能を多数搭載した計測用マイコンとなる。
セイコーエプソンは2022年2月8日、A-Dコンバーターを内蔵した16ビットマイクロコントローラー「S1C17M02」「S1C17M03」を発表した。既にサンプル出荷を開始しており、S1C17M02のサンプル価格は800円(税別)。
両製品は、デジタルマルチメーター向けの計測用マイクロコントローラー。電圧、電流、容量、抵抗、周波数、ダイオード、導通の測定モードを切り替えられる専用回路や16ビットΔΣ(デルタシグマ)型A-Dコンバーターを備える。
プログラマブルなオーバーサンプリング設定により、測定条件を最適化するほか、平方根演算回路で真の実効値を求められる。測定結果の最大値や最小値を保持できるピークホールド機能、IC内部の温度を測定できる温度センサー、2乗平均と絶対値平均を選択できる平均化回路も搭載する。
フラッシュメモリの容量はS1C17M02が32KB、S1C17M03が64KB。また、校正データや測定データの保存用として256バイトのEEPROMを搭載している。その他に、電源電圧検出回路やUPMUX(ユニバーサル・ポート・マルチプレクサ)、自動ブザー出力機能、電源回路を内蔵した液晶ドライバを備える。
消費電流(標準値)はSleepモードで0.24μA、Haltモードで1.8μA(32kHz内蔵発振)、RUNモードで6.0μA(32kHz内蔵発振)、129μA/MHzに抑えた。電源電圧は2.1〜3.6V(アナログ回路動作時2.2〜3.6V)となっている。
パッケージはS1C17M02がP-LQFP064(1010サイズ)を、S1C17M03がP-LQFP100(1414サイズ)を採用した。端子ピッチはともに0.5mm。それぞれ月に10万個の生産を見込む。
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