OKIネクステックでは、IoTの活用拡大に向けて、身の回りのわずかなエネルギーを電気エネルギーに変える環境発電技術と、低消費電力無線技術を組み合わせた「環境発電無線」のモジュール提供および開発支援を強化する。既に鉄道向けなどで実績が生まれつつあり、電源確保が難しい環境での遠隔監視用途の開拓を進める方針だ。
OKIネクステックでは、IoT(モノのインターネット)の活用拡大に向けて、身の回りのわずかなエネルギーを電気エネルギーに変える環境発電技術と、低消費電力無線技術を組み合わせた「環境発電無線」のモジュール提供および開発支援を強化する。既に鉄道向けなどで実績が生まれつつあり、電源確保が難しい環境での遠隔監視用途の開拓を進める方針だ。
OKIネクステックは2021年4月に沖電気コミュニケーションシステムズと長野沖電気が統合して誕生。従来、産業系領域での電子機器の受託開発を担い、さまざまなCPUなど電子デバイスの取り扱いを特徴とした長野沖電気と、無線関連技術や電源部分の開発を行ってきた沖電気コミュニケーションシステムズの強みを生かし、DMS(Development&Design Manufacturing Service)およびEMS(Electronics Manufacturing Service)事業を展開している。
新体制による強みを生かす技術として目を付けたのが電源技術と無線技術を組み合わせた「環境発電無線」技術だ。「環境発電無線」は、太陽光や室内照明、振動、熱、電磁波などの身の回りにあるわずかなエネルギーを電気エネルギーとして変換して利用する無線技術である。「高効率の環境発電(電源技術)と低消費無線(無線技術)を組み合わせて実現するため、OKIネクステックが抱える技術力が生かせると考えた」とOKI ネクステック 代表取締役社長の野末正仁氏は述べている。
無線技術については、低消費電力を実現する必要があるため、現状ではBluetooth Low Energy(BLE)、EnOcean、LPWAの活用を想定し、これらの通信技術の活用できる範囲で、用途開発を進めているところだ。特に、BLEとLPWAの中でSigfoxを中心だと位置付けているという。
用途としては「電源確保が難しいが通信を活用した情報収集が行いたいところ」が中心となる。電源確保が難しくても端末を独立した形で設置するだけで使えることが魅力だ。例えば、鉄道車両に環境発電無線端末を設置し、駅に設置された受信機の通信により、位置情報を通信するような近距離通信技術を利用した仕組みや、広い工場や設備に設置した環境発電無線端末から稼働情報を収集する広域通信を利用した仕組みなどを想定しているという。既に多くの用途での引き合いは増えており、鉄道用途では導入実績も出ている。「当初はわれわれもこうした技術にどこまでニーズがあるのか分かっていなかったが、いくつかの実績が出てきたことからその価値を感じることができた。より幅広い用途で環境発電無線技術の提案を進めていく」と野末氏は手応えについて語る。
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