ニュース
» 2021年11月22日 08時00分 公開

遠距離からのサイズ計測を単眼カメラの画像だけで実現、東芝が世界初のAI技術人工知能ニュース(1/2 ページ)

東芝がズームレンズを用いた単眼カメラによって複数枚の画像を撮影するだけで実スケールの3次元計測ができる「世界初」のAI技術を開発。インフラ点検などで、高所や斜面など危険で点検が困難な場所に近づくことなく、一般的なデジタルカメラとズームレンズで離れた場所から写真を撮影すれば、補修対象部分のサイズを計測できるようになる。

[朴尚洙,MONOist]

 東芝は2021年11月22日、ズームレンズを用いた単眼カメラによって複数枚の画像を撮影するだけで実スケールの3次元計測ができる「世界初」(同社)のAI(人工知能)技術を開発したと発表した。インフラ点検などで、高所や斜面など危険で点検が困難な場所に近づくことなく、一般的なデジタルカメラとズームレンズで離れた場所から写真を撮影すれば、補修対象部分のサイズを計測できるようになる。

開発したサイズ計測AIの概要 開発したサイズ計測AIの概要[クリックで拡大] 出所:東芝

 デジタルカメラやスマートフォンをはじめさまざまな機器にカメラが搭載されるようになっているが、その多くに単眼カメラが用いられている。しかし、これらの単眼カメラで撮影した画像だけでサイズを正確に計測するのは困難だった。これは、単眼カメラの画像だけではサイズに関する相対値しか得られらないからで、絶対値を得るには何らかのサイズに関する基礎情報が必要になる。

 単眼カメラで手軽にサイズ計測する手段としては、スマートフォンに搭載されているサイズ計測アプリがある。視点位置の異なる撮影画像の見えの違いを元に単眼カメラの多視点画像から3次元形状を復元する「単眼SfM(Structure from Motion)」という技術と、スマートフォンに搭載されているジャイロセンサーを用いて計測した異なる視点位置間の距離情報を組み合わせて実現している。ただし、スマートフォンのカメラのレンズが小さく、離れた場所のサイズ計測では誤差が大きくなるため、基本的には近距離での利用に限定されている。

「単眼SfM」の概要「単眼SfM」の課題 「単眼SfM」の概要(左)と課題(右)[クリックで拡大] 出所:東芝

 この他にも、東芝が2019年10月に発表した「レンズ収差AI」という技術でも単眼カメラによるサイズ計測が可能だ。レンズ収差の変化を検出して、1枚の撮影画像から奥行きを取得してレンズの物理特性を学習することでサイズ計測を可能にする技術である。しかし、この学習はレンズのピントを固定して行わなければならず、レンズのフォーカスを動かしてしまうと再学習が必要になってしまう。このため、レンズ収差AIについては、撮影距離が大きく変化しない屋内での近距離用途が想定されていた。

「レンズ収差AI」の概要「レンズ収差AI」の課題 「レンズ収差AI」の概要(左)と課題(右)[クリックで拡大] 出所:東芝
各種サイズ計測技術の比較 各種サイズ計測技術の比較。最下段にある開発したサイズ計測AIはさまざまな課題を克服している[クリックで拡大] 出所:東芝
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.