Circuloを使って開発した協働ロボットは、パフォーマンス面でも優位性が生じるという。ある大手メーカーが提供する最大可搬モデルの協働ロボットの可搬重量が15g、アームの動作速度が秒速1m、繰り返し精度が±0.05mmであるのに対して、Circuloを搭載した協働ロボットの可搬重量は25kg、動作速度は秒速5m、繰り返し位置精度は±0.01mmのスペックを持つ。
安全機能については、SIL3認証取得済みの2つの独立したCPUを搭載した専用コントローラーをCirculoに内蔵しており、ロボットの緊急停止、停止位置保持、ダイナミックな減速、動作範囲の制限、衝突検知などに対応する。
また、Circuloに対応した専用チューニングソフトウェアもあり、エンコーダーのキャリブレーションや速度やトルクなどの調整、コギングトルクの調整、粘性摩擦や慣性などの機械パラメータを加味したゲイン設定を行う。
この他、機器を一体型にすることで、サーボドライブなど各機器を選定する手間を減らし、評価ステップを省略できる効果もある。これにより設計期間の短縮効果が期待される。またロボットの量産化過程においては部材コストを30%程度削減する他、部材管理や組み付けコストなども低減する。
リンクスはCirculoと併せて、ロボットプログラム開発環境「Motorcortex」も提供開始する。クラウド上で動作する開発環境で、キネマティクスや安全のためのセーフティ機能、ダイレクトティーチングを含むロボットのプログラミングが行える。ドラッグ&ドロップによるノーコード方式でのHMI(ヒューマンマシンインターフェース)作成や、ロボット稼働情報のプロットも行える。
リンクス 代表取締役の村上慶氏は「今後は協働ロボットを単体ではなくて、AGV(無人搬送車)などと組み合わせて運用する取り組みが広がると見込んでいる。工場だけでなく、農業や医療分野などに協働ロボットはさらに進出していくのではないか。このように、何かの上に協働ロボットを設置して動かす場合に求められるのが、小型化と消費電力の改善である。CirculoをはじめとするSynapticonの製品はこうした期待に合致するものだと考えている」と語った。
リンクスは2026年までにCirculoシリーズで年間5億円の売り上げを見込む。
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