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» 2021年11月16日 09時00分 公開

EVにラーメン自販機、最新家電、「モノを売らない小売店」が渋谷に新店舗スマートリテール(2/2 ページ)

[池谷翼,MONOist]
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レイアウトスペースの工夫でEVも展示可能に

 2つ目はカフェスペースの設置と、これに伴う食品カテゴリー製品の拡充だ。来店客が食べ物や飲み物を体験できるようにした。展示された食品、飲み物から体験したいものをリクエストすると、カフェスペースで試飲、試食品を受け取れる。渋谷店は有楽町店と新宿店と異なり給排水インフラを整備しており、これによってカフェスペースが実現できたという。

カフェスペースの外観

 この他、店内には米国スタートアップが開発したラーメンの自動販売機「Yo-Kai Express」や、セミオートのエスプレッソマシンなどが体験用に設置されている。

ラーメンの自動販売機「Yo-Kai Express」[クリックして拡大]

 3つ目は専用スマートフォンアプリケーションの開発だ。来店客は店内展示品の傍に設置したQRコードを読み取ることで、製品情報の紹介文を読める他、アンケート回答が行える。

 4つ目はフレキシブルな展示スペースの実現である。具体的には可動式設備を導入したことで、店内のレイアウト変更の自由度が向上した。これによって大型の製品も店内に置けるようになり、今回、b8taでは最大級のサイズとなるアリアを設置できたという。

店舗入り口に展示されているアリア[クリックして拡大]

 北川氏は「渋谷は20代〜30代前半のミレニアル世代が多い土地柄で、有楽町店や新宿店とは少し異なる、多様な客層が来店するものと見込んでいる。来店者数は年間で約12万人以上を目標としている」と語った。

新しい切り口でEVを訴求

 今回、渋谷店にアリアを展示するに至った背景について、日産自動車 日本マーケティング本部 副本部長の増田泰久氏は「アリアは単なる移動手段としてのクルマの存在を超えて、コネクテッド機能を搭載した新しいクルマだ。こうしたクルマとの生活をイメージしてもらうには、b8taのようなアイコニックな場所が最適だと考えた。渋谷の土地で価値や魅力を感じてもらい、b8taから回収したデータの分析を通じて改良やカスタマイズに生かしたいと考えている」と語った。

日産自動車の増田泰久氏[クリックして拡大]

 アリアは走行時の快適性やEVとしての数々の特徴に加えて、「ハローニッサン」と呼びかけて起動するハイブリッド音声認識機能などのコネクテッド機能を搭載した自動車だ。Amazon Alexa(アレクサ)との連携によって、音楽再生や天気予報の確認、家族や友人との通話なども音声のみのハンズフリーで操作できる。こうしたIoT(モノのインターネット)機能を1つの切り口にして、新しい顧客層に訴求する狙いもある。

 「当社はこれまでにも、ショッピングモールやホテルなどでの自動車展示や、先行試乗会などを通じて販売店以外での新規顧客層開拓に取り組んできた。ただ、日産自動車という企業の枠内での活動には限界もある。b8taはミレニアル世代を中心に、若い層が気軽に入りやすい店だ。自動車にはそれほど興味がない人でも、ガジェット目当てでb8taに来店し、その過程でふとアリアのことを知る、という人もいるだろう。こうした層がすぐにアリアを買うとは考えていないが、潜在的な顧客層の開拓につながると考えている」(増田氏)

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