三菱電機は2021年11月9日、自動車分野の重点事業と位置付ける電動化とADAS(先進運転支援システム)の取り組みについて発表した。
三菱電機は2021年11月9日、自動車分野の重点事業と位置付ける電動化とADAS(先進運転支援システム)の取り組みについて発表した。
2025年度に電動化とADASに関する売上高を2500億円、営業利益率7%以上を目指す(2020年度の電動化とADASの売上高は1000億円)。三菱電機の自動車部門である自動車機器事業全体の売上高としては、2025年度に2020年度実績から21.1%増の8000億円を目指す。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大や半導体の供給逼迫が自動車生産に大きな影響を与えたが、三菱電機では生産の正常化は2023年になると見込む。
電動化に関しては、2030年まではHEV(ハイブリッド車)とEV(電気自動車)が並行して電動車市場を拡大し、2030年以降はEVの普及が本格化するとの想定の下、マイルドハイブリッド(MHEV)からEVまで自動車メーカーの幅広いニーズに対応していく。
そのため、パワーデバイスやインバーターから、モーターとインバーターの一体システムまで、電動車のカギとなる部品をそろえ、自動車メーカーやティア1サプライヤーが内製もしくは外注する範囲に合わせて柔軟に製品を提供していく。すでに、モーター/インバーター一体システムで60万台、モータージェネレーターで400万台、インバーターで500万台、パワーデバイスで1900万台といった市場での導入実績がある。直近では、プラグインハイブリッド車(PHEV)向けのモーター/インバーター一体システムや、48VのMHEV向けモータージェネレーター、EVとPHEV向けの薄型インバーターなどの投入を予定している。また、バッテリーの大容量化に伴い充電時の高電圧化への対応でもSiCパワーデバイスで貢献していくとしている。
三菱電機 常務執行役で自動車機器事業本部長を務める藪重洋氏は「製品の品目が少ないので他の大手サプライヤーと比べると事業規模は大きくないが、1つの部品を水平展開することでこれまでシェアを伸ばし、モータージェネレーターやスターターモーターは2桁のシェアを持っている。今後もこの戦略を続ける」と説明した。
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