豪華客船の設計効率向上と工期短縮を支える「3DEXPERIENCEプラットフォーム」メカ設計ニュース

ダッソー・システムズは、造船大手のマイヤー・ヴェルフトが「3DEXPERIENCEプラットフォーム」で初めて設計した豪華客船の建造に着手したとともに、姉妹船のエンジニアリングも同プラットフォームを用いて進行中であることを発表した。

» 2021年11月08日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

 ダッソー・システムズ(以下、ダッソー)は2021年10月1日(現地時間)、クルーズ船を手掛けるドイツの造船大手Meyer Werft(マイヤー・ヴェルフト)が、ダッソーの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」で初めて設計した豪華客船の建造に着手したとともに、姉妹船のエンジニアリングも同プラットフォームを用いて進行中であることを発表した。

※記事訂正:ダッソー・システムズからの申し出により初出時から一部内容を修正して掲載しております。[2021年11月29日]

 マイヤー・ヴェルフトは長年ダッソー製品を活用してきたが、今後のプロジェクトも視野に入れた設計効率の向上と工期短縮を目的に、3DEXPERIENCEプラットフォームの活用範囲を拡大。新たに、3DEXPERIENCEプラットフォームを基盤にした「Industry Solution Experience」「Designed For Sea」「Optimized Production For Sea」を採用した。

 さらに、マイヤー・ヴェルフトは、3DEXPERIENCEプラットフォームのオープン性を生かし、拠点やサプライヤーが使用している古いデジタル設計ツールから生成されるプロジェクトデータを統合しながら、プラットフォームへの段階的な移行をスムーズに進め、ツールとプロセスの統一を目指すとしている。

 マイヤー・ヴェルフトが3DEXPERIENCEプラットフォームで初めて設計した豪華客船は現在建造中であり、2022年の引き渡しを予定する。豪華客船は総登録トン数14万4000t(トン)で、客室数1250室の旅客収容能力を備え、環境に優しい液化天然ガスを燃料に使用する。

 競争の激しい造船業の市場は、最先端の船舶を効率的に設計して引き渡すことが極めて重要だとし、建造中の豪華客船の完成に向けて、両社は引き続きパートナーシップを強化していく考えだ。

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