三菱電機が液晶テレビ事業を大幅に縮小すると発表。「市場環境やニーズの急激な変化に伴い、製品競争力の維持が困難な状況となった」(ニュースリリースより抜粋)ためだという。
三菱電機は2021年11月1日、液晶テレビ事業を大幅に縮小すると発表した。「市場環境やニーズの急激な変化に伴い、製品競争力の維持が困難な状況となった」(ニュースリリースより抜粋)ためだという。
現在、同社の京都製作所(京都府長岡京市)が開発を手掛ける「REAL」ブランドの液晶テレビが事業縮小の対象となる。既に家電量販店向けの製品出荷は2021年9月に終了している。今後は、同社家電製品を販売する地域店「三菱電機ストア」向けの自社ブランド品の出荷を2024年3月まで継続する計画で、以降の方向性は今後検討するとしている。
液晶テレビ事業の縮小と併せて京都製作所の最適な組織への改編なども検討している。同製作所では、液晶テレビの他、デジタルサイネージ、EVパワーコンディショナー、ディスプレイウォール、昇華型方式プリンタ、レーザー光源なども担当している。
京都製作所は1962年に、三菱電機のテレビの部品工場として発足した後、テレビなど映像機器の開発・製造の中核拠点を担ってきた。ただし、同社の一般消費者向けのAV家電については、2013年12月にプロジェクターとBlu-ray/DVDレコーダーの事業撤退も発表しており、今回の液晶テレビ事業の縮小によってAV家電事業そのものが終息の方向に向かうことになりそうだ。
なお、液晶テレビ事業に関連する経営資源は、三菱電機が2021〜2025年度の中期経営計画で掲げた5つの重点成長事業の1つとなっている空調冷熱システム事業や、その他の家庭電器事業などへシフトし、さらなる成長・発展を目指すとしている。
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