マツダは2021年7月30日、2022年3月期第1四半期の連結業績を発表した。米国市場の好調ぶりを着実に捉えた他、半導体不足などの生産制約に対し在庫効率化などを進めたことで、利益ベースではコロナ禍前以上の水準に回復した。
マツダは2021年7月30日、2022年3月期(2021年度)第1四半期(4〜6月)の連結業績を発表した。米国市場の好調ぶりを着実に捉えた他、半導体不足などの生産制約に対し在庫効率化などを進めたことで、利益ベースではコロナ禍前以上の水準に回復した。ただ、半導体不足による影響は深刻化しており、通期の業績については慎重な姿勢を示している。
マツダの2021年度第1四半期の連結業績は、売上高は前年同期比113%増の8034億円、営業利益は同714億円の改善となる261億円、経常利益は同683億円の改善となる265億円、税引前利益は同882億円改善の254億円、当期純利益は同781億円改善の114億円となり、黒字転換を果たした。前年度の2021年3月期(2020年度)第1四半期はコロナ禍による影響で自動車市場全体が低迷した影響を色濃く受けたが、コロナ禍以前の2020年3月期(2019年度)第1四半期と比較しても、売上高は少ないものの、営業利益や経常利益、税引前利益、当期純利益などの項目は大幅に改善しており、好調な結果となっている。
好結果となった要因の1つが、米国やオーストラリアでの好調な販売だ。米国の2021年度第1四半期の販売台数は2019年度第1四半期の6万8000台を大きく上回る10万6000台となった。同様に、オーストラリアについても2021年度第1四半期は3万3000台を販売し、コロナ禍前の水準を超えている。マツダ 常務執行役員 財務・経営企画担当の藤本哲也氏は「限られた生産能力を需要の旺盛な米国やオーストラリアに優先して振り向けるなど、適切なオペレーションを実現できた。両国では市場全体の伸び以上に販売を伸ばすことができた」と手応えについて語っている。
もう1つの要因が、グローバル在庫の効率化と最適な管理を行えた点だ。半導体の供給不足により、自動車の生産台数にも制約が生まれる中、週次での各部品や需要のモニタリングの強化を進め、販売および収益最大化に向けた生産、販売、在庫の調整を行った。販売好調な市場を優先したオペレーションを行う他、在庫を効率的に活用することで、販売台数を伸ばすことに成功した。「マツダの生産拠点は限られるために在庫のコントロールが重要になる。機敏かつ柔軟な在庫と生産のオペレーションをさらに進めていく」と藤本氏は述べている。
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