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» 2021年07月21日 11時45分 公開

いまさら聞けない「CO2ゼロ工場」5分で読める簡単解説(2/2 ページ)

[三島一孝,MONOist]
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カーボンニュートラル化への取り組みは中小製造業にも波及

 さて、現在「CO2ゼロ工場」への取り組みが大きな関心を集めているのは、SDGs(持続可能な開発目標)などの流れから、日本をはじめ各国政府が目標年度を定めて「カーボンニュートラル化」を宣言したことにあります。これらの動きに合わせ、多くの企業が目標年度を定めたカーボンニュートラル化を発表するようにもなっています。

我が国は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です(菅内閣総理大臣所信表明演説)

 各企業がカーボンニュートラル化の対象として進める範囲は、企業全体としてなのか、工場を対象としたものなのか、まちまちの状況ですが、将来的にはサプライチェーン全体を対象とするものになる見込みです。

 温室効果ガス(Green House Gas)排出量の算定や報告の基準としてグローバルで推奨されているGHGプロトコルでは、対象カテゴリーとして3つのカテゴリーが設置されています。「スコープ1」は事業者自らが燃料の燃焼などで温室効果ガスを直接排出、「スコープ2」は電力など他社から供給されたエネルギーの使用に伴う間接排出、そして「スコープ3」は事業者の活動に関連するエネルギー以外の領域での排出だと規定されています。

 現状では自社内の取り組みに絞った「スコープ1」「スコープ2」を対象としたものが多いと考えますが、今後「国レベルのカーボンニュートラル化」が進められることを考えると、大手企業を中心に「スコープ3」までを対象としたCO2排出量ゼロ化へと進むと見られます。

 「スコープ3」は、製品のライフサイクルに関連する外部事業者のCO2排出量全てを取りまとめて低減を進める動きとなります。こうした環境問題への取り組みは大手企業を中心にしたものだと見られがちですが「スコープ3」を対象とした場合、大手企業と取引のあるサプライヤーなどの活動も対象となります。そういう意味では、中堅中小製造業なども準備を進めていく必要があると考えます。

photo CO2排出におけるカテゴリーとパナソニックが目指すカバー範囲(クリックで拡大)出典:パナソニック

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