電源障害によるダウンタイムから考える電源システム設計電源システム解説(4/5 ページ)

» 2021年06月30日 06時00分 公開

保護ICの例と主な動作コンセプト

 マキシムの「MAX17613」と「MAX17526」は、最新のシステムの要件に適合する保護ICの例です。MAX17613(図9)は、フォワードおよびリバースFET、設定可能な電流検出、サーマル保護、設定可能な低電圧ロックアウト(UVLO)および過電圧ロックアウト(OVLO)など、全ての重要な部品と機能をワンチップに集積し、60V/3Aの制限に対応した保護ICです。このデバイスは「CLMODE」端子も備えており、電流障害に対するICの応答モードを連続、ラッチオフ、オートリトライの3モードから選択することができます。

図9:高集積60V/3A保護IC(クリックして拡大) 出典:マキシム

 MAX17526(図10)は、同様に完全集積化され60V/6Aの制限に対応した保護ICです。さらに、このデバイスは、電力制限や熱制御電流フォールドバックなどの高度な保護機能を備えています。

図10:電力制限を備えた高集積60V/6A保護IC(クリックして拡大) 出典:マキシム

 では、MAX17526を例に、幾つかの重要な機能を詳しく検討しましょう。図11に示すように、MAX17526はシステムの消費電流を測定し、「SETI」端子を使用してその測定値をシステムコントローラーに伝達します。抵抗「RSETI」を調整することで、システム要件に基づいて電流制限のレベルを設定することができます。

図11:MAX17526の電流制限設定およびモニタリング機能(クリックして拡大) 出典:マキシム

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