一方、後処理を担うFuse Siftは、Fuse 1で造形したパーツの取り出し、パウダーの回収、保管、ミキシングまでを担うパウダー回収ステーションとして機能し、Fuse 1の補助装置としてセットで利用することになる。Fuse 1から造形物の入ったビルドチャンバー(一次冷却済み)を取り外し、そのままFuse Siftにセットできる。
Fuse Siftでは、陰圧システムによって使用済みパウダーを飛散させることなく、効率的かつ安全に回収しながら造形パーツを取り出すことが可能。回収した使用済みパウダーはふるいの役目を果たす「Fuse 1 150 Sieve」を通してサラサラの状態に戻し、未使用パウダーと混合して再利用される。使用済みパウダーと未使用パウダーはあらかじめ設定した割合で供給され、装置側面のミキシングステーションで混合することで次の造形に使用できる。
Fuse Siftの本体サイズは1015×610×1545mmで、ビルドチャンバーやパウダーを除いた重量は93kg。販売価格(税込み)は150万5900円である。ちなみに、FormlabsではFuse Siftの利用に必要なバキュームの販売も行っているが、指定規格(NFPA 652)に準拠する真空装置が既にあればそちらで代用することも可能だという。
また、SLS方式の場合、どうしても造形前の加熱や造形後の冷却といったプロセスが必要となるため、出力作業のスループットを向上させるためにもビルドチャンバーは複数用意して利用することを推奨する。Fuse 1 Build Chamberの販売価格(税込み)は58万5200円だ。
Fuse 1で使用可能なパウダー材料については、強度と精度を兼ね備え、幅広い用途で利用できるNylon 12 Powderと、靭性が高く衝撃にも強いNylon 11 Powderの2種類を同時に展開する。
両材料ともに積層ピッチ110μmで使用できるが、それぞれリフレッシュレートが異なり、Nylon 12 Powderが未使用素材30%、再利用素材70%なのに対して、Nylon 11 Powderでは未使用素材50%、再利用素材50%となっている。販売価格(税込み)は、Nylon 12 Powder(3kg×2)が7万8100円、Nylon 11 Powder(3kg×2)が9万200円である。
なお、Fuse 1本体の一部パーツは、実際にFuse 1で製造されたものが用いられている。
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