クラウドへの空調機器接続数は100万台、ユーザー数は30万人で同時アクセス数は9万人を想定する。大量接続に耐え得るアーキテクチャを新規に構築した。
DK-CONNECT edgeにLTEやWi-Fiルーターの他、タブレット端末を組み合わせてセットで販売し、またクラウドに簡単に接続できる仕組みを提供するため、ITの知識がない空調設備業者でも簡単に導入できるという。
DK-CONNECTの開発を振り返り、ダイキン工業 空調生産本部 ITデバイス開発 エグゼクティブリーダー 主席技師の橋本雅文氏は「開発計画は6年前から始動していたが、当初開発は全くうまくいかなかった。当社は、業界内ではIoTの先進的な取り組みを進めてきた企業だ。しかし、従来のIoT(モノのインターネット)による遠隔監視の仕組みをベースに空調コントロールのアプリケーションを追加する方式では、1万台接続するとシステムが動かなくなった。IoT技術自体が古くなっており、がくぜんとした」と語る。
そこでダイキン工業は外部の知見を取り入れて、大量のデータ負荷に耐えるシステムづくりを行った。同社が販売する空調機器に特化したソフトウェアライブラリも開発し、「100万台でも動くIoT技術を獲得した」(橋本氏)という。
また、従来は空調機器の発売後にクラウドソフトウェアを開発するという開発フローを取っていたが、これでは製品のクラウド対応に時間がかかるという欠点があった。そこで、「空調機の開発者が図面にクラウドソフトウェアのデータモデルを登録することで、データベースを自動生成するプログラムを開発した」(橋本氏)などの工夫を取り入れたという。
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