工場の自動化ニーズが高まる中、「残された人手作業の自動化」は大きなテーマとなっている。その中で、アーム型協働ロボットとAGV(無人搬送車)を組み合わせた、「モバイルマニピュレーター(MoMa)」を提案するロボットシステムインテグレーターのciRoboticsの取り組みを紹介する。
人材不足や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により工場内の自動化ニーズは高まっているものの、実際の工場ではいまだに数多くの作業が人手を中心に行われている。工場内の「人手で行う必要がない単純作業」の自動化に向け、アーム型協働ロボットとAGV(無人搬送車)を組み合わせた、「モバイルマニピュレーター(MoMa)」を提案し導入実績を広げているのが、ロボットシステムインテグレーターのciRoboticsである。同社によるクリーンルームの検査作業を移動型ロボットで自動化した取り組みを紹介する。
ciRoboticsは、大分県のFIGのグループ企業で、2015年に創業したドローン事業などを展開する企業である。農薬散布ドローンの機体販売とともに、ドローン防除サービスやドローン講習などを展開。また、機体性能などを実飛行なしに測定できるドローンアナライザーなどを開発しており、機器開発や制御などのノウハウを持つ。「安心・安全なロボットを大分から世界へ!」をミッションとしており、これらのドローンにおける知見などを生かして、協働ロボットやAGV導入といったロボットインテグレーションなどに取り組んでいる。
協働ロボットおよびAGV共にオムロン製品を取り扱い、これらを組み合わせてモバイルマニピュレータとしてパッケージ化した「ciMoMa-SLIM」などを開発。また、同社の強みが作業指示を行うシステム構築なども合わせて行える点で、これらを組み合わせることで、半導体や医療機器向けなど、クリーンルーム内での自律作業用途で展開している。
ciRobotics ロボット担当部長の安藤秀憲氏は「クリーンルーム環境での人作業を減らしたいという要望は非常に強い。生産作業や搬送作業の自動化はもちろんだが、クリーンルーム環境が適切かを判定する環境検査など、必ずしも人が行う必要がない作業などもまだまだ数多く残されている。人が関わると環境に影響が出るため可能な限りこれらは無人化したいという要望だ。これらを置き換えたいという相談が多い」と引き合いについて語っている。
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