複雑な外観検査を自動化、光コム技術採用外観検査装置の受注開始FAニュース

JUKIとXTIAは2021年4月1日、JUKIの検査機にXTIAの光コム測定技術を搭載し、自動車のエンジン部品や機械部品の外観検査を自動化する「ハイブリッド外観検査装置」の受注を開始した。

» 2021年04月08日 07時00分 公開
[MONOist]

 JUKIとXTIAは2021年4月1日、JUKIの検査機にXTIAの光コム測定技術を搭載し、自動車のエンジン部品や機械部品の外観検査を自動化する「ハイブリッド外観検査装置」の受注を開始した。両社は2020年2月に共同開発の開始を発表しており、今回はこれらの成果を製品化したものとなる。

 「ハイブリッド外観検査装置」は、JUKIの2D画像認識技術を搭載した高速自動検査機とXTIAの光コム測定レーザーを組み合わせた装置である。光コム技術は周波数スペクトルが等間隔に並んだくしのような形状をしている特殊なレーザーを活用することで、精度の高い3次元計測が行えるようにしたものだ。TOF(Time of Flight)法などを含む従来の手法では精度面で活用が難しかった領域でも使用できるようにしたことが特徴である。

photo 「ハイブリッド外観検査装置」 出典:JUKI

 一方で製造現場では人手に頼らざるを得ない検査工程が多くこれらの自動化が課題となっていた。両社が取り組んでいるのはこれらの外観検査領域の自動化である。

 新たに受注を開始した「ハイブリッド外観検査装置」は、高速画像撮影と高精度レーザーをオールインワンで組み込んだ検査装置である。アルミ鋳造品のキズなどの欠陥検査を対象としている。複雑な形状の部品検査をインラインで自動化できることが特徴で、キズ不良の「位置」「長さ」「面積」に加え、「深さ」も計測でき高精度な検査を行える。

 検査可能なワークサイズは、幅600×奥行き600×高さ300mmで、検査速度は画像が0.7秒、レーザーが2.5秒で、検査分解能はXY軸が12μm、Z軸が1μmだという。

 両社では、今後も協業を継続し、JUKIの光学カメラ検査装置とXTIAが保有する光コム技術とを組み合わせた新たな製品の創出や性能の向上に取り組んでいく。

photo JUKIとXTIAの技術を融合させた検査ヘッド 出典:JUKI

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