みなさんこんにちは、金曜日です。1週間、お疲れさまでした。今週も自動車業界ではさまざまなニュースがありました。ゆるゆると振り返ってみたいと思います。
みなさんこんにちは、金曜日です。1週間、お疲れさまでした。今週も自動車業界ではさまざまなニュースがありました。ゆるゆると振り返ってみたいと思います。
MONOistでは記事にしていませんが、トヨタ自動車のセダン「クラウン」が現行モデルをもって生産終了となる……と報じたニュースに多くの方が驚いたのではないでしょうか。私もとても驚きました。中日新聞によれば、次期型のクラウンは2022年にSUVタイプとなって登場するようです。現行モデルは日本国内専用モデルでしたが、次期モデルは北米や中国にも投入するとのことです。複数のメディアがこのニュースを報じており、それなりに確実なニュースといえそうです。
現行クラウンの発売は2018年6月でした。フルモデルチェンジ前年の2017年でも1〜12月の販売台数の合計は約2万9000台と堅調で、2018年は5万台、新車効果が一段落した2019年も3万6000台という販売実績でした。ただ、2012年末に発売した先代モデルまでさかのぼると、フルモデルチェンジの翌年である2013年には7万5000台の売り上げですので、以前ほどは売れていないといえるかもしれません。
クラウンの生産終了が事実なのか、事実だとしてどのような背景があって決断したのか、こればかりはトヨタ自動車が説明するまで分かりません。しかし、さまざまな要因が思い浮かびます。例えば、クラウンユーザーは高齢化が進んでいるといわれますから、乗り換えずに運転免許を返納する人が増えたのかもしれません。また、クラウンを自分で運転するのではなく、後部座席に乗る人々は、広々とした高級ミニバンに移ったのかもしれません。どのような市場変化があったのか、とても気になりますね。
いくら一時期ほどの販売台数でないとはいえ、3万6000人のクラウンユーザーがいるわけです。セダンでなければ、全幅1800mmでなければ、という人も少なくないでしょう。トヨタは彼らに向けた次のクルマとして、何を提案するのでしょうか。こちらの動向も気になるところです。
SNSでクラウン生産終了への反応を眺めていて気になったのは、「セダンはクルマの理想形なのに、セダンの強みをどうしてもっとアピールしないんだ」という嘆きの声です。ボディー剛性や空力性能、静粛性、運動性能などにおいて、ミニバンやSUVと比べてセダンが勝っているという理屈は、私にもよく理解できます。
ただ、クルマが好きな人たちは、そういうセダンの強みが誰にでも伝わると思い込んでいるような気がします。何事も、できる人はできない人の感覚や目線を忘れてしまいます。クルマが特別好きではない人たちがセダンを買おうと決断できる段階までセダンならではの強みを理解してもらうには、幾つも関門があるのではないでしょうか。そもそもいろいろなクルマに乗って比べたことがないと見えてこないこともありますし、剛性や挙動の違いを感じ取るには、それなりの速度を出せる場所や、一定の運転技術やセンスも必要です。
何の訓練もなしに、こうやってセダンの優位性を正しく理解できる人って、そんなに多くないように思います。そこまでの興味関心がない人も一定数いるでしょう。セダンの優位性に関する理解を得られたとして、セダンの運動性能が必要になるカーライフなのか、という点もハードルとなります。SUVやミニバンが魅力的なのではなく、セダンが必要でなかったり、車両タイプに由来する性能に気付かない(気付けない、興味がない)という人も少なくないのだろうな、と改めて考えました。
さて、MONOistで今週公開した記事を振り返ります。「ようやく!」という感もありますが、ホンダのレベル3の自動運転車が国土交通省から型式指定を受けました(記事はこちら:ホンダ「レジェンド」のレベル3の自動運転システム、国交省で型式指定を取得)。
これまでの自動車メーカー各社のADAS(先進運転支援システム)は、乗って実際に使ってもらう中で支持を得てきました。今までに試乗したADAS搭載車を思い返すと、ステアリングから手を離せるかどうか、ペダルから足を離せるかどうか、というのは小さな違いのように見えましたが、体験すると確かにラクだなと感じられました。レベル3の自動運転も同様に広がるでしょうか。
半ばフライングするような格好で先んじてレベル3対応を宣言したアウディ「A8」、2021年後半からレベル3の自動運転システムを搭載するメルセデスベンツ「Sクラス」、そして、まもなく発表されるであろうレクサス「LS」の新モデル。それぞれの比較も楽しみです。
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