本稿で最終回となるが、連載の締めくくりとして、これまでのポイントをまとめる。
本連載では、以下の6点について、特に「なぜ、何を、どのように」という論旨の下で重点的にお伝えしてきた。
SCMの難しさは、モノや物流、販売チャネルの多用性だけではなく、多くの企業や組織、人を情報でつなぎながら、環境変化に対応した意思決定をしなければならないところにある。この意思決定の質とスピードを上げる手段の一つが、デジタル化であり、デジタルテクノロジーの活用なのである。
日本の製造業におけるSCMは旧態依然であり、特に重要となる業務領域を超えて情報を「つなぐ」こと、改革に取り組むことに関して、非常に壁が高いのが実情である。しかしながら、このまま取り組みに着手しなければ、企業運営、ひいては日本製造業の国際競争力に致命的な影響を与えかねない。各企業においては、自社の成長のために少しずつでもデジタルサプライチェーンを実現させることが肝要であり、本連載がその一助になれば幸いである。
(連載完)
MONOistが2020年12月16〜17日に主催するライブ配信セミナー「サプライチェーンの革新 〜Withコロナ時代に必要不可欠なサプライチェーンのデジタル化〜」で、本連載を執筆したクニエの宍戸徹哉氏と笹川亮平氏が講演を行います。本連載で解説した“デジタルサプライチェーン推進の勘所”を凝縮した特別講演は、12/17(木)13時からライブ配信する予定です。無料で参加できますので、ぜひご視聴ください!
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宍戸徹哉(ししど てつや) クニエ シニアマネージャー
大手国内システムインテグレーターにてSCM関連システム構築に従事し現職。ハイテク・エレクトロニクス、自動車、ヘルスケア、非鉄金属、建設、化学、製薬業界など、サプライチェーン分野のコンサルティングに従事。
主に、SCM/S&OP業務改革、組織改革、ITを活用した改革構想および導入を担当している。
笹川亮平(ささかわ りょうへい) クニエ マネージングディレクター
ハイテク機器、自動車など組み立て系、プロセス系製造業の企画構想から定着化まで生産管理、在庫管理、需給管理を中心としたSCM/S&OP業務改革、ERP/SCP構想策定および導入コンサルティングに従事している。
編著に「“数"の管理から“利益"の管理へ S&OPで儲かるSCMを創る!」がある。
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