矢野経済研究所は、小型モーターの世界市場に関する調査結果を発表した。車載用を除いた2020年の小型モーター世界市場は、メーカー出荷数量ベースで前年比93.7%の62億3219万個にとどまると予測している。
矢野経済研究所は2020年10月12日、小型モーターの世界市場に関する調査結果を発表した。モーター関連企業を対象とし、同年5〜8月に実施。メーカー出荷数量ベースで算出した2020年の小型モーター世界市場について、前年比93.7%の62億3219万個にとどまると予測している。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、世界経済が低迷したことで産業全般の生産が落ち込み、小型モーター市場も減少の見込みとなった。一方で、PCや通信関連機器、医療機器用途のモーターの需要は拡大している。
用途別に見ると、最も新型コロナウイルス感染症による影響を受けたのが、家電および住宅設備機器、産業機器関連となっている。家電、住宅設備機器は消費者の収入減により消費が減少していること、産業機器関連は各産業が設備投資を削減あるいは先送りしていることが要因と考えられる。
同社は、同市場が2021年以降、緩やかに回復していくと見ており、2022年にはメーカー出荷数量ベースで65億900万個に達すると予測する。今後は、動作性能のさらなる向上を目的として、複数の種類のモーターや周辺部品を含めたユニット製品の提案が進むとみられる。
同調査での小型モーターは、主に出力1kW以下のブラシ付きDCモーターやブラシレスDCモーター、振動モーター、PM型およびHB型ステッピングモーター、DC軸流ファンモーター、ACインダクションモーターを対象とする。なお、車載向けは、AV関連機器用の小型モーターのみが対象で、他は対象外となっている。
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