バトルを試す前に、まずは操縦感覚を確認してみたい。テストのため、操縦用のノートPCをスマートフォンのテザリングでインターネットに接続。目の前のロボット実機をインターネット経由で動かし、どのくらいの遅延があるのかを調べた。
試したところ、ボタンを押してからのロボットの反応は、ほとんど違和感がない。送信データはたった2バイトなので、モバイル回線であっても、遅れは極めて小さいようだ。ただ、映像の遅れは0.4秒程度とやや気になる。ノートPCを無線LANに戻してみても、この遅れはあまり変わらないので、このくらいが限界かもしれない。
ではこの遅れがバトルにはどう影響するのか、実際に対戦形式で試してみた。ロボットサッカーチーム「RFCバンブーブリッジ」のチームメイトである石井さんと梓さんに協力を依頼し、筆者の自宅まで接続してもらった。なお公平を期すため、筆者のプレイ時には別室に行き、モバイル回線で外部から接続して操縦している。
取りあえず3人でリーグ戦をやってみたのだが、全員「これはアリだな」という感想。バトルにおいてコンマ数秒もの遅れは大きく、結果を左右してしまうほどではあるものの、遠隔でもロボットバトルのエッセンスは十分楽しめる。操縦自体の遅れは小さいので、勝つためには先読みのスキルが重要になるかもしれない。
今回は3人だけで試してみたが、参加者を増やして、大会にすることも可能だろう。KHR-3HVだけの大会であれば、参加者からモーションデータを送ってもらえば、オリジナルの技を使うこともできる。ただ、主催者側の負担はかなり大きくなりそう。バッテリーがたくさん必要になるし、充電や交換まで全部やるのは結構大変だ。
しかしこの方式であれば、自分でロボットを持っていない人でも参加が可能になる。まるでオンラインゲームのようにロボットバトルができるとなれば、ハードルが下がり、新たなユーザーの獲得につながる可能性もある。ちょっと試して面白ければ、自分のロボットがほしくなり、購入することもあるだろう。
ただ、最大の課題は、前述のように、やはり映像の遅れだ。これについては、高速大容量と超低遅延がウリの5G通信にも期待したいところ。5Gで映像の遅れがどのくらい改善するかは分からないが、これが半減するだけでも、リモートのロボットバトルはかなり実用的になるのではないかと思う。機会があれば試してみたい。
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