沖電気工業は、同社のリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」の商用化に向けて、顧客の環境で実証実験が可能な評価機の提供を開始した。映像表示や再生機能などが強化され、耐環境性能も向上している。
沖電気工業は2020年9月29日、同社のリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」の商用化に向けて、顧客の環境で実証実験が可能な評価機の提供を開始した。
フライングビューは、同社のAI(人工知能)エッジコンピュータ「AE2100」のプラットフォームに、FPGAによる俯瞰(ふかん)映像合成機能を組み込んだシステム。遠隔からリアルタイムで、周囲360度の監視や操作支援ができる。
今回提供を開始した評価機は、パートナー企業とともに実施してきたプロトタイプ機での実験結果を基に、映像表示や再生機能など、高度な遠隔運用のための機能を強化した。
映像表示には、同時に2つの俯瞰映像を表示するデュアルビューモード、俯瞰映像を含めて3つの映像を表示するマルチビューモードのほか、周囲の距離を簡易的に表示する機能がある。
再生機能では、10時間前までの映像をさまざまな視点で再生できるプレイバック機能を搭載。フライングビュー本体のMicroSDカードに記録した固定視点の俯瞰映像をタブレット端末などで再生できる、メディア内映像配信機能も追加している。
無線ネットワークは、無線LANおよびLTE機能を内蔵している。また、耐環境性能も向上しており、防塵(じん)防水の保護等級「IP66」や車載イミュニティ規格に準拠し、動作温度範囲は−30〜60℃となっている。
AE2100のプラットフォーム上に実装されたフライングビューの評価機は、カメラやセンサーからのデータを用いたAI認識および識別機能を、道路保全事業や操船制御、警備モデルなどに活用できる。同社では、さらに高精度なモニタリングサービスの提供へ向けて、フライングビューの2021年度の商用化を目指す。
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