まずスピード入金は、ファクトリーエージェントの製造業マッチングサービスの一環として提供している「代金回収サービス」と連動するものだ。受注企業が、マッチング案件の検収後、最短であれば当日にも代金を受け取ることができる(通常の入金は翌月25日)。
スピード入金の利用料は振込予定金額に対して2.5%に設定しているが、サービス開始キャンペーンとして、2020年12月31日まで利用料を0.1%に割り引く(2.4%の削減)こととした。「振込予定金額が100万円なら、1000円の利用料と振込み手数料だけで済む計算になる」(上出氏)。
ファクトリーエージェントに会員登録している受注企業向けのスピード入金に対して、資金調達あんしんサポートは会員登録していない企業でも利用できるサービスとなっている。
製造業が受注(売掛金発生)した取引に対し、ファクトリーエージェントが売掛債権の買い取りを行い、早期に資金化することで資金繰りを支援する。MF KESSAIとの業務提携により、ファクトリーエージェントの会員登録企業やマッチング案件に限定せず、一般取引も対象とすることが可能になった。
具体的には、MF KESSAIの売掛債権早期資金化サービス「MF KESSAI アーリーペイメント」を利用することで、最短2営業日後の入金や、業界最安水準となる1.0%からの手数料率(一般的には10%程度)で売掛債権を買い取る。MF KESSAI 社長の冨山直道氏は「累計取扱高(売掛債権の資金化金額)は、2017年3月の事業開始から2年半で100億円となり、そこから半年の2020年4月には200億円に達している。これまでの顧客は製造業以外が中心だったが、ファクトリーエージェントとの提携により、製造業の事業成長を資金面からサポートしていきたい」と述べる。
手形払いが当たり前の製造業では、着手から入金まで半年以上かかるのが当たり前だった。資金調達あんしんサポートを活用すれば、案件着手時の段階に売掛債権を資金化することも可能になり、資金繰りに困らずに済む。
なお、MF KESSAI アーリーペイメントの手数料率の低さについては「時間とコストがかかるアナログな審査を行う既存の金融機関と比べてオペレーションコストが低く、貸倒率の審査もデジタル技術を活用するなどして効率化しているからだ」(冨山氏)という。
上出氏は「これら2つの新サービス投入による、COVID-19収束後のアフターコロナにおける国内製造業の反転攻勢の準備につなげてほしい」と述べている。
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