ファクトリーエージェントは、中小製造業の悩みの種となっている手形払いによる資金繰り問題を解決する新たなサービスとして「スピード入金」と「資金調達あんしんサポート」の提供を始める。資金調達あんしんサポートについては、MF KESSAIとの提携により、最短2営業日、手数料率1%からで売掛金の資金化による入金が可能になるという。
ジェイテクトの100%子会社で製造業マッチングサービスを展開するファクトリーエージェントは2020年10月6日、オンラインで会見を開き、中小製造業の悩みの種となっている手形払いによる資金繰り問題を解決する新たなサービスとして「スピード入金」と「資金調達あんしんサポート」の提供を始めると発表した。資金調達あんしんサポートについては、マネーフォワードのグループ会社であるMF KESSAIとの提携により、これまで納品から入金までに数カ月かかっていたところを、最短2営業日、手数料率1%からで売掛金の資金化による入金が可能になるという。
ファクトリーエージェントは2020年7月から、製造業マッチングサービスの本格的な事業展開を開始している。同社 社長の上出武史氏は「必要な部分で“人”がしっかりサポートするというポイントを中心に高い評価を得ており、利用実績も日々コンスタントに増えている」と語る。
今回発表した2つの新サービスは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による事業環境の悪化や、休廃業・解散の急増、雇用への影響といった製造業の資金面の課題に対して、「どういった支援ができるのかを検討してきた」(上出氏)中で生まれたものだ。
国内の製造業では、商慣行として手形払いが今も根強く残っている。発注企業が下請け企業に対して手形を利用する割合は50%を超える業界がほとんどで、支払いサイトが60日(2カ月)を超える割合もほぼ70%以上に達している。つまり、受注から作業着手して納品を行い、実際に入金されるまでに少なくとも3〜4カ月かかるので、その間の運転資金は金融機関などに借り入れる必要が出てくるのだ。
こういった資金繰りへの対応では、金融機関への借り入れの他に、発注企業に対して入金を早める交渉や、仕入先に対して支払いを遅らせる交渉などもあるが、これらは発注企業や仕入先から「事業継続に問題があるのか」などと思われかねない。上出氏は「そこで、売掛金の現金化を、取引先に知られない形で、素早く、業界最安水準で行える、新たな選択肢を用意しようと考えた」と強調する。
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