製造現場をつないで知能化するIoTゲートウェイ、カギは「オープン」エッジコンピューティング(1/2 ページ)

モノトークスは、フエニックス・コンタクトが展開するオープン制御プラットフォーム「PLCnext」をベースとした、IoTゲートウェイを開発し、オープンなIIoTの世界を推進する。

» 2020年06月09日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 スマート工場化などが進む中で工場内の機器や制御装置も「つながる」ことが求められるようになってきた。その中で接続性を確保するために重要になるのが「オープン性」である。

 制御ソリューションを展開するモノトークスでは、このオープン性をいち早く生かし、先進技術に簡単に対応できるようにしたIoT向けゲートウェイを開発した。同社は、ドイツのPhoenix Contact(フエニックス・コンタクト)が展開するオープン制御プラットフォーム「PLCnext」を基盤とした独自のIoTゲートウェイ「NEXT gateway(ネクスト・ゲートウェイ)」を開発し、独自のシステム構築などが負担となる幅広い製造現場に展開を進める方針を示している。

「PLCnext」をベースとした「ネクスト・ゲートウェイ」

photo ネクスト・ゲートウェイ(クリックで拡大)出典:モノトークス

 モノトークスの「ネクスト・ゲートウェイ」は、ゲートウェイながらタイムスタンプの付与や簡単な情報処理などを行うインテリジェント性を持つことが特徴だ。上位システムにアップするデータは自由に定義可能で、異なる仕様の機械のデータ構造を規格化することで、データの正規化が求められる上位システムに合わせたデータ生成を可能としている。また、「ネクスト・ゲートウェイ」とつなげるエッジ機器にあらためてプログラムを追加する必要がなく、環境を変更せずにデータを活用できるようになる利点も持つ。

 これらの土台となったのがフエニックス・コンタクトの「PLCnext」である。「PLCnext」は、PLC(Programmable Logic Controller)のオープン化と高度化を目指しオープンな制御プラットフォームの基盤形成を目指す取り組みだ。

 従来のPLCはラダー言語などを使って開発される場合がほとんどだが、スマートファクトリー化などが進む中でPLCも外部の機器と連携することが求められるようになっている。一方で、工場などの制御領域のみで使われるラダー言語を新たに習得しようとする若手技術者は減少が続いており、今後の工場の発展などを考えた場合、新たな制御の基盤を構築することが求められている。こうしたニーズに応え、オープンなコンピュータ言語を活用できる仕組みを目指し、従来のPLC用の言語と新たなコンピュータプログラム言語などを並行して使用できるような環境を目指すのが、「PLCnext」である。

photo ネクスト・ゲートウェイのデモライン(クリックで拡大)出典:モノトークス

 「PLCnext」ではVisual Studio、Eclipse、MATLAB/Simulink、PC Worx Engineerなどのソフトウェアツールの活用に加え、IEC 61131-3およびC/C++とC#でのプログラミングコードの活用もできる。サードパーティーによる機能追加や、オープンソースコミュニティーによる開発なども行える。また、2018年末にオープンしたアプリストア「PLCnext Store」により「PLCnext」をベースとした、アプリやファンクションブロックを共有したり、ビジネス化したりすることも可能である(※)

(※)関連記事:PLCのAndroidを目指すフエニックス・コンタクト、「PLCnext」で目指す価値

 モノトークス 代表取締役 安藤郁氏は「工場向けゲートウェイなどが注目を浴びる以前から、工場でゲートウェイ的な役割を担うものの開発を行ってきた。従来はPLCで同様の機能を実現してきたが、PLCではメーカーの囲い込みのような状況が生まれ、さまざまなシステムとの連携を図るための開発リソースが大きな負担となっていた。スマートファクトリー化でシステム間の連携の量や質を高めなければならない中で、このままでは限界が来ると考えていた。そのタイミングで出会ったのが基本的には標準化された技術で構成されるオープン性を持った『PLCnext』である」と語る。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.