日本電産の駆動用モーターを吉利汽車が採用、シェア35%に向けて一歩電気自動車

日本電産は2020年5月27日、吉利汽車の電気自動車にトラクションモーターシステムが採用されたと発表した。採用車種は電気自動車(EV)の新モデル「几何 C」(Geometry C)で、出力150kWの駆動用モーターを供給する。

» 2020年06月05日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日本電産は2020年5月27日、吉利汽車の電気自動車にトラクションモーターシステムが採用されたと発表した。採用車種は電気自動車(EV)の新モデル「几何 C」(Geometry C)で、出力150kWの駆動用モーターを供給する。

 Geometry Cは2020年5月に発表された新型車で、高価格帯ブランド「Geometry」シリーズの第2弾となる。バッテリー温度制御システムやヒートポンプエアコン、車体の軽量化によって走行距離は500km以上を確保した。自動駐車システムや5G対応のインフォテインメントシステムなども搭載する。

吉利汽車の新モデル「几何 C」(Geometry C)に日本電産の駆動用モーターが採用された(クリックして拡大) 出典:日本電産

 Geometry Cに採用されたトラクションモーターシステムは、2019年4月に量産を開始した新しい製品で、同年5月に吉利汽車向けの開発をスタートし、車両の適合を含めて1年間で量産に至った。重量は91kgで、最高出力150kW、システムの最大トルクは3100Nmだ。精密小型モーターで培った磁気回路設計のノウハウや、独自の油冷機構を生かした軽薄短小構造、最新世代のインバーターの採用などにより、動力性能、電力消費、音や振動、重量削減に貢献したとしている。

 日本電産はこの他にも出力の違うトラクションモーターシステムをそろえており、最高出力50〜200kWまでカバーする。前後輪に駆動用モーターを搭載する四輪駆動システムにも対応し、このラインアップで車両セグメントの98%をカバーできるという。こうした取り組みにより、日本電産は2030年にEV用駆動モーターでグローバルシェア35%を達成することを目指している。

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