Nature ArchitectsはシリーズAラウンドにおいて、FFGベンチャービジネスパートナーズ、DRONE FUND、小橋工業、ダイキン工業と第三者割当増資に関する投資契約を締結し、総額3億2500万円の資金調達を実施した。
東大発ベンチャーのNature Architectsは2020年5月29日、シリーズAラウンドにおいて、FFGベンチャービジネスパートナーズ、DRONE FUND、小橋工業、ダイキン工業と第三者割当増資に関する投資契約を締結し、総額3億2500万円の資金調達を実施したことを発表した。
Nature Architectsは、人工的な構造により素材が持つ弾力や変形といった特性を制御するメタマテリアルを活用し、ユーザーが求める機能要件をダイレクトに実現する設計アルゴリズム「DFM(Direct Functional Modeling)」の開発と、実社会への実装を目指すベンチャー企業だ。
従来のモノづくりでは、多くの場合、ボルトやフレームヒンジなどの硬い部品を組み合わせて製品設計が行われるが、メタマテリアルの考えをうまく活用することで、部品ごとの硬さ/柔らかさなどを自在に制御しながらの設計が可能となる。こうしたアプローチを基に開発されたDFMは、プロダクトを構成する各パーツのあるべき硬さを計算し、それを実現するメタマテリアルの生成・割り当てを可能にする設計アルゴリズムである。
DFMを用いることで、例えば、硬い部材に振動吸収機能を付与するなど、これまで実現困難だった新しい機能をパーツに付加したり、フレームや可動部といった部位ごとに必要なさまざまな機能を、部品単位に分けることなく一体で設計、製造したりすることが可能となる。この技術は、自動車、航空宇宙、ロボティクス、ドローンなど、動きを明示的に扱う最終製品だけでなく、レバー、スイッチ、ファン、バネといった部材にも適用できるとする。
Nature Architectsは、新たな製造/加工方法の実現を目指す企業との共同開発などを進めることで、DFMを活用した高付加価値なプロダクトの実用化を目指す。また、今回の資金調達により、DFMに関する社内の開発体制の拡充を目指すと同時に、新たに資本参加したベンチャーキャピタルおよび企業とともに、DFMが活用可能な新規プロダクトの発掘や共同開発にも取り組んでいくという。
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