「誰もがカンタンにIoTを使える世界」を目指すifLinkオープンコミュニティが、設立記念イベントとなる「ifLink Open Community CYBER KICK OFF」をオンラインで開催。100以上の企業・団体が参画する同コミュニティから早期に成果を示す場として、2020年夏にオープン発表会を計画しているという。
「誰もがカンタンにIoTを使える世界」を目指すifLinkオープンコミュニティは2020年3月30日、設立記念イベントとなる「ifLink Open Community CYBER KICK OFF」をオンラインで開催した。発起人となった東芝、東芝デジタルソリューションズ(以下、TDSL)の他、プレミアム会員であるデンソー、Global Mobility Service、東京ガス、SOMPOホールディングス、ソフトバンク、KDDI、アルプスアルパイン、Armの関係者が登壇し、400人以上が視聴した。100以上の企業・団体が参画する同コミュニティから早期に成果を示す場として、2020年夏にオープン発表会を計画しているという。
ifLinkは、TDSLが独自開発したIoT(モノのインターネット)プラットフォームだ。スマートフォンのアプリで「ドアが開いたら(IF)、ライトが光る(THEN)」といったような、IF-THEN型の設定により機器を連携したサービスを構築できる。具体的には、スマートフォンのカメラで、ifLinkとつなげる機器やWebサービスを読み込んでつなげられるので、新しいサービスを発想できれば、そのためのコーディングなどを行うことなく、簡単かつ低コストで実現できるとしている。ifLinkオープンコミュニティは、このifLinkをオープン化し、さまざまな業界、団体の人々が垣根を越えて「誰もがカンタンにIoTをつかえる世界」を実現することを目的に設立された。
イベント冒頭では、ifLinkオープンコミュニティ 代表理事の島田太郎氏があいさつした。島田氏は、東芝の執行役常務・最高デジタル責任者であり、2020年4月1日からはTDSLの社長に就任している。同氏は「ゆる〜い感じで次々と新しいアイデアを生み出せる、コミュニティらしいコミュニティにすることがわれわれの目的だ。企業の皆さんとは、いろんな人を引き込むようなことを一緒にやっていければと思う」と述べ、肩ひじの張らないオープンなコミュニティ活動を積極的に行っていく方針を示した。
島田氏のあいさつの後、同コミュニティ 理事の吉本武弘氏がフリップを使ってifLinkの仕組みを説明。「IoT製品やWebサービスをユーザーが自由に組み合わせて使える」「ユーザーが自由にカスタマイズできる」「カードを並べるだけで設定できる」などの特徴を挙げた上で、「これまではメーカーが企画・開発したものをユーザーが買って使うだけだったが、ifLinkを使えばユーザーは簡単にサービスを作れる。スマートフォンユーザーは世界で33億人いるといわれるが、そこから色んな可能性が生まれるはずだ」(吉本氏)と強調した。
吉本氏の説明の後は、設立記念イベントに付きものの「乾杯」。島田氏と吉本氏で行うこの乾杯では「ifLinkくす玉」が用意された。これは、両氏のジョッキに付いたセンサーが乾杯を検知して「SwitchBot」がひもを巻き上げて小さなくす玉を割るというもの。「乾杯すると(IF)、くす玉が割れる(THEN)」という仕組みはifLinkで作成している。イベントがリアルタイムで行われているというドキドキの中で、無事にくす玉は割れた。
ifLinkオープンコミュニティとしての取り組みは、大きく分けて「メーカーを超えて迅速に試作する」「異なる視点やたくさんの視点でアイデアを増やす」「共創パートナーを見つけて広げていく」の3つになる。その結果として生み出したいアウトプットも3つあり「プロダクトやデバイスやサービスをたくさんつながるようにする」「ユーザーにとって本当にうれしいユースケースを量産する」「数が増えれば増えるほど価値が高まるネットワーク効果」となっている。
「新しいユーザー体験でIoTをブレークスルーさせたい。いつでも、安く、誰でも、簡単に作れるIoTとして、参加するユーザーみんながワクワクして、みんながもうけていく、誰かが独り勝ちしたり囲い込みしたりするのではない世界を作っていきたい」(同コミュニティ 理事の千葉恭平氏)として、参加者に求めるマインドセット「Give!&Give!」を掲げた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.