東芝と東芝デジタルソリューションズ(TDSL)は2020年4月1日付でTDSLの取締役社長に東芝 執行役常務・最高デジタル責任者の島田太郎氏が就任する人事を発表。東芝 執行役専務でTDSL現社長の錦織弘信氏は、同年3月31日付でこれらの役職を退任し、4月1日付で東芝テックの代表取締役社長に就任する。
東芝と東芝デジタルソリューションズ(以下、TDSL)は2020年3月2日、同年4月1日付でTDSLの取締役社長に東芝 執行役常務・最高デジタル責任者の島田太郎氏が就任する人事を発表した。東芝 執行役専務でTDSL現社長の錦織弘信氏は、3月31日付でこれらの役職を退任し、4月1日付で東芝テックの顧問に就任した後、6月に開催される同社の株主総会での決議等を経て代表取締役社長に就任する予定である。
東芝グループは、メモリなど主要事業を切り離した経営再建後の新たな成長エンジンとして「CPS(サイバーフィジカルシステム)テクノロジー企業」となることを目指している。TDSLは東芝グループにおけるデジタルソリューション事業領域の中核を担っており、デジタルトランスフォーメーションを推進し、システムインテグレーションおよびAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)を活用したサービスソリューションを提供している。
2018年10月に東芝に入社した島田氏は、2019年4月から東芝のサイバーフィジカルシステム推進部長に就任し、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション事業の戦略を指揮し、グループを横断した事業拡大を推進する役割を担ってきた。2020年4月から新たにTDSLの社長に就任することで、これまで進めてきたCPSテクノロジー企業への変革に向けた取り組みとTDSLが持つデジタル技術の強みとの連携を強化し、東芝グループならではのCPSの分野における新規事業の創出を推進していくとしている。
なお島田氏は、データを価値ある形に変え、実社会に還元していく事業を行う東芝の100%子会社として2020年2月に新たに設立された東芝データの代表取締役CEOも務めている。
東芝データの事業第1弾は、東芝テックのレシートを電子化する技術「スマートレシート」を核とする事業モデルとしている。島田氏が東芝データとTDSLのトップを兼任する一方で、東芝データとの連携を推進する東芝テックの社長にTDSL現社長の錦織氏が就任する人事により、東芝グループ内におけるCPSテクノロジーの推進と、AIやIoTを活用したサービスソリューションの提供を加速させる狙いがあるとみられる。
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