この取り組みの背景には、「AUTOSAR経験者」という表現で期待を裏切り/裏切られるということでお困りだというお声や、なかなか効果的な研修が見つからないというお声があります(決して少数の声ではありませんでした)。
必要な能力を持つ人材の投入は、Automotive SPICEやISO 26262でも要求されていますので、能力を測る/獲得するための方策が不可欠であることは間違いありません(確かに「最高優先度ではない」のですが、なぜか「切り捨ててよい」と短絡的/非論理的に切り捨てられることが多いのも事実です)。
また、「AUTOSARを知っている=AUTOSARの全てを知っていて、何でもできる」と誤解されることでお困りの方は、AUTOSARの標準化メンバーの中にも多数いらっしゃいます。ですから、「AUTOSARを知っている」という表現のブレークダウンに関する共通認識の構築は不可欠だということに関して、既に一定のご理解をいただけていると思います。
ただ、解決となると皆さま二の足を踏まれたのでしょうか? 皆さまがお困りになっていることの内容やその背景、頻度などを、具体的な情報として頂戴できるだけでも、確実に解決につながっていきますので、もう少しお気軽にご参加をお考えいただければと思います(会合もあるかもしれませんが、メールなどでのインプットいただけるだけでも十分です)。
AUTOSAR導入に関する具体的な取り組みをまだ始めていらっしゃらない方々と触れ合う機会が最近増えたためか、「一度知ってしまったら/できるようになったら、知らなかった頃/できなかった頃には戻れない、そして、知らない/できない方々の苦しみを理解することは難しくなっていく」、このことを痛感しています(安全分野の師匠のお一人であるノイドルファ先生も同じことを繰り返しおっしゃっておいでだったのも思い出しました)。
その面での改善には、「まだ知らない/できない方々」からのご指摘、例えば、ご説明差し上げる際に気付かずに前提としてしまっている事前知識や、無意識にやってしまっている活動や判断(説明が足りない可能性のある部分)の存在についての気付きを促すヒントが大変役立つのです。
また、教育/研修に割くことができる時間は限られていますから、何でもかんでも盛り込むことはできません。どの内容を含めるか/オプションとするか、などの優先度に関する判断にも「現場のお声」が必要なのです。
繰り返しになりますが、どうか、もう少しお気軽にご参加をお考えいただければと考えております。たまたま、別の業務が入りしばらくは多忙なので、活動はいったん保留しますが、ご連絡はお待ちしております。
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