具体的には、IIJのセキュアなネットワークとクラウドサービスを組み込んだWISE-PaaS JPを、アドバンテックの日本法人が2020年1月から販売する予定である。システムの導入支援などについては、アドバンテックが認定した「Domain-Focused SI(DFSI)」パートナーが行う。日本国内については、日本ラッドが中心となって展開する。
IIoTではさまざまな要素が必要になるために緩い協力体制を数多くの企業で構築するような場合も多いが、アドバンテックとIIJの協力ではお互いに「排他的に近い関係で、2社での協力を軸に進めていく」(両社)としている。
アドバンテックのCTOであるAllan Yang(アラン・ヤン)氏は「日本はIIoTを推進する中でも最優先に位置付けられている市場である。IIoTを推進するのに日本抜きで進めることはあり得ない。2019年2月にオムロンからオムロン直方を買収し『アドバンテックテクノロジーズ』として日本における開発力を強化したのもこうした強い思いがあったからだ。日本市場に向けてより早く統合されたワンストップのソリューションを展開するためにIIJとの協業を進めた」と語る。
加えて、アドバンテック(日本法人)の古澤氏は「通信およびネットワークベンダーと組むのは必須で協業先を探してきた。ポイントとなったのはマルチキャリアとマルチクラウドであるという点だ。この2つを満たすのはIIJしかないと考えてラブコールを送った。アドバンテックとしては日本市場ではIIJに絞って取り組みを進めていく考えだ」と語っている。
一方でIIJにおいても「産業用途向けに特化したハードとPaaSを展開している企業はグローバルを見てもアドバンテックしかなく、産業向けのクラウドサービスを展開する中では排他的な関係性を築いていくつもりだ」とIIJ IoTビジネス事業部長 岡田晋介氏は語っている。
今後は、日本市場におけるDFSIパートナーをさらに拡大しWISE-PaaS JPの普及拡大に取り組む。古澤氏は「現状でも日本でWISE-PaaSの導入企業は10社程度あるが、協業を強みとし、2022年までに200社に拡大したい」と抱負を述べている。
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