交通政策白書2019では、2017年における情報通信機器の保有状況(世帯)において、スマートフォン(約75.1%)がPC(約72.5%)を上回ったことを指摘(図20)。さらにインターネット技術や各種センサー・テクノロジーの進化等を背景に、PCやスマートフォンなど従来のインターネット接続端末に加え、家電や自動車、ビルや工場など、世界中のさまざまなモノがインターネットへつながる「IoT時代」が到来していると述べている。
交通政策白書2019では、世界のIoTデバイス数の動向からコネクテッドカーの普及によりIoT化の進展が見込まれる「自動車・輸送機器」の高成長を予測しており、IoTなどとともにSociety 5.0の実現において重要な基盤技術とされる「人工知能(AI)」技術については、社会の在り方に根本的な影響を与える可能性があるとしている。交通分野においても、AI技術の導入や利活用により、自動運転の高度化や、バス・タクシーの効率的な運行の実現、さらには交通障害の自動検知や信号機の制御システムなどへの活用により、渋滞問題などの解決も期待できるとしている。
内閣府HPによれば「Society5.0」とは、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されており、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会を指すもので、2016年1月に閣議決定された第5期科学技術基本計画において、日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。
交通政策白書2019の第2章では、先に述べた3つの課題が提起された。そして、これらの課題を解決する先進事例として、下記の4つを紹介している。
これら新たなモビリティサービスや交通分野の先進的取組の動向については次回、取り上げたい。
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