ソラコムのIoT回線サービスが100万契約突破、eSIM投入を契機に急加速:製造業IoT
ソラコムは、IoT向けデータ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」の回線契約数が100万を超えたと発表した。2015年9月末にNTTドコモのMVNOとしてサービスを開始してから、約3年半での達成となる。
ソラコムは2019年6月19日、IoT(モノのインターネット)向けデータ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」の回線契約数が100万を超えたと発表した。2015年9月末にNTTドコモのMVNO(仮想移動体通信事業者)としてサービスを開始してから、約3年半での達成となる。
同社の携帯電話通信を用いるIoT向けデータ通信サービスは、当初のNTTドコモ回線を用いる国内向けプランから、KDDI回線を用いるプランやグローバル対応のプランなどサービス拡充を続けてきた。現在、通信サービスとしては6種類、クラウド上でのデータの転送や処理をはじめとするサービスは13種類を提供している。顧客数は1万5000を超えたという。
「SORACOM Air for セルラー」の回線契約数の推移(クリックで拡大) 出典:ソラコム
利用形態としては、位置データを利用したモノやヒトの動態管理、機器の故障検知や安全保全のための遠隔監視、工場の可視化の他、決済端末やインフラ管理、農業、漁業、畜産など多岐にわたる。また最近では、ソースネクストの翻訳機「ポケトーク」に代表されるように、コンシューマー製品にも採用されるようになっている。業種別の比率では、電気機器/機械が33.6%で最も多く、次が情報・通信業で30.3%、続いて卸売業が8.4%、サービス業が5.9%、輸送用機器が3.7%などとなっている。
契約回線の業種別の比率(クリックで拡大) 出典:ソラコム
また、SORACOM Air for セルラーの利点はカード型SIM1枚から利用できる点にあり、このため顧客数ベースでは半分以上がスタートアップや中堅・中小企業になっている。ただし、回線数ベースで見ると、契約回線数が多い大企業や上場企業が約7割を占める。
ソラコムは、通信に用いるSIMについて、一般的なカード型SIMに加えて、2017年10月から機器に組み込めるチップ型SIM(eSIM)の提供を始めた。契約回線数も、eSIM提供のタイミングから増加スピードが加速している。現時点で、契約回線数の半分がカード型SIM、残り半分がeSIMだ。
ソラコムのeSIMユーザーの代表が、ポケトークを展開するソースネクストだ。同社は2019年3月末の記者会見において、ポケトークの累計出荷台数が30万台を突破したと発表している※)。こういったIoTを活用するコンシューマー製品が他にも登場すれば、ソラコムの200万回線突破は意外と近いかもしれない。
※)関連記事:ポケトークだけじゃない、ソースネクストのIoT製品は2019年度内に5つへ
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