新グローバルブランドでソリューション提案を強化、シナノケンシの取り組み:製造マネジメントニュース
シナノケンシは2019年6月13日、創業101年目に際し、新たなコーポレートブランドとして「ASPINA(アスピナ)」を展開することを発表した。社名変更は行わないが、統一コーポレートブランドとしてグローバルで展開する。
シナノケンシは2019年6月13日、創業101年目に際し、新たなコーポレートブランドとして「ASPINA(アスピナ)」を展開することを発表した。社名変更は行わないが、統一コーポレートブランドとしてグローバルで展開する。
新ブランドロゴとタグライン 出典:シナノケンシ
シナノケンシ 取締役 経営戦略室室長の金子行宏氏
新たなコーポレートブランドを掲げる理由についてシナノケンシ 取締役 経営戦略室室長の金子行宏氏は「いくつもの要素があるが、2018年に創業100周年を迎え、次の時代を見据えると、従来のモーター関連製品に加えて“モーター技術をベースとした動きのソリューション”を加速させる必要がある。その新たな動きを示すものとしてコーポレートブランドを立ち上げた」と語る。
加えて「今後の成長を見据える中でグローバルでの展開は欠かせない。その中で認知度が低いという課題があった。1つの要因として海外子会社それぞれの社名がバラバラで統一感がないという点があり、これらを統一ブランドで展開できるようにすることで、グローバルでの認知を高める」(金子氏)という点も大きな動機になったという。
新ブランド「ASPINA」は、「SPIN」を「A」で囲む形となっている。「SPIN」はシナノケンシの始まりである「Silk Spinning(絹糸紡績)」やモーターの「Spin(回転)」を意味する。これらで「A」級の製品を生み出すことを示す他、英単語の「Aspire(熱望する、目指す)」という意味ともかけているという。
海外子会社の社名はバラバラだが統一ブランドを作ることで共通イメージを構築する狙い(クリックで拡大)出典:シナノケンシ
この新たなブランドにより具体的に強化する領域としては、ロボットハンドや行動アシストロボット分野、コンプレッサーなどの医療・福祉機器分野、産業用ドローンなどモビリティ分野、5Gを中心とする高速通信機器分野などを挙げる。さらに従来のハードウェア中心から、モジュール型、さらにソリューション型へと発展させる姿を描いている。
金子氏は「グローバルでの認知度向上を最重視して取り組んでいく。4〜5年後くらいまでに『ASPINA』ブランドを活用し、会社としての認知度を1.5倍程度まで引き上げたい」と述べている。
- 製造業のデジタル変革は第2幕へ、「モノ+サービス」ビジネスをどう始動させるか
製造業のデジタル変革への動きは2018年も大きく進展した。しかし、それらは主に工場領域での動きが中心だった。ただ、工場だけで考えていては、デジタル化の価値は限定的なものにとどまる。2019年は製造業のデジタルサービス展開がいよいよ本格化する。
- 製造業は「価値」を提供するが、それが「モノ」である必要はない
製造業が生産する製品を販売するのでなく、サービスとして提供する――。そんな新たなビジネスモデルが注目を集めている。サービタイゼーション(Servitization、サービス化)と呼ばれるこの動きが広がる中、製造業は本当にサービス業に近くなっていくのか。インタビューを通じて“製造業のサービス化”の利点や問題点を洗い出す。本稿では、サービタイゼーションを研究するペンシルバニア大学 教授モリス・コーヘン氏のインタビューをお伝えする。
- 製造業のサービス化、予兆保全は単なる「はじめの一歩」
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第7回は、前回に引き続き「製造業のサービス化」についてご紹介します。
- 人手不足対策で完全自動化は逆効果、人とロボットの協力をどのように切り開くか
人手不足に苦しむ中で、工場でもあらためて自動化領域の拡大への挑戦が進んでいる。その中で導入が拡大しているのがロボットである。AIなどの先進技術と組み合わせ、ロボットを活用した“自律的な全自動化”への取り組みも進むが現実的には難易度が高く、“人とロボットの協調”をどう最適に実現するかへ主流はシフトする。
- 協働ロボット、ロボットシステムに残された課題と未来
協働ロボットを現場で活用するのにどのような工夫が必要か――。ロボット技術の総合展示会「2017国際ロボット展」では、ロボットメーカーおよびユーザー企業によるパネルディスカッション「ロボットフォーラム2017」が実施され、協働ロボットの意義について語った。
- 機械は人の仕事を奪わない、“人とロボットがともに働く現場”が拡大へ
2016年は人工知能関連技術が大きな注目を集めて「機械が人間の仕事を奪う」という議論が大いに盛り上がりを見せた。こうした一方で2017年には「現場」において、こうした動きと逆行するように見える「人とロボットが協力して働く世界」が始まりを迎える。
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。
- 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.