日本航空はKDDI総合研究所およびKDDIと共同で、次世代移動通信規格「5G」を用いた実証実験を実施する。高速かつ大容量の通信が可能な5Gを活用することで、遠隔からの作業支援をより高度なものにできるか実証実験で確認する。
日本航空は2019年3月13日、KDDI総合研究所およびKDDIと共同で次世代移動通信規格「5G」を用いた実証実験を実施すると発表した。
整備や空港などの現場では遠隔作業支援への取り組みが進んでいるが、通信速度や容量の問題から簡易的な作業支援に留まっている。5G実験の第2弾となる今回は、高速かつ大容量の通信ができる5Gを用い、さらに高度な作業支援が可能かを2つの実証実験により確認する。
第1の実験では、4K解像度の映像を用いた整備作業の遠隔業務支援だ。航空機付近や格納庫などの現場にいる整備士の作業を指示者が別拠点の離れた場所から確認し、指示する状況を想定している。今回は細かい部品を多く使用している電子部品の解体や組み立てについて、指示者が映像を確認しながら円滑に指示できるかを検証する。同実験ではKDDI総合研究所が開発した「AR(拡張現実)遠隔作業支援システム」についても、併せて検証する。
第2の実験は、8K解像度の映像を活用した整備作業支援だ。格納庫内で撮影した航空機の外観8K映像を同一拠点内のオペレーションセンターに送り、4GおよびWi-Fiと5Gで伝送速度を比較。オペレーションセンターでは伝送された航空機の画像を確認者が集中点検する。将来的には高解像度の映像を活用した目視検査への活用を検討しているという。
各社の役割は、日本航空が航空機の整備業務などに関する方針やユースケース、また同社が2018年4月に開設したオープンイノベーションの活動拠点「JAL Innovation Lab」を提供する。KDDI総合研究所は5Gの無線特性を生かした技術を開発し、実証実験を実施。KDDIは5G環境を提供する。
離陸する航空機電動化の時代――この転換期に日本製造業は飛翔できるか
MRが可能とする「必要な未来」、エアバスとJALが仮想訓練プログラムを開発
障害は飛行機のブラスト――自動運転が日本の航空運輸を支えるか
KDDI、高精度地図のアイサンテクノロジーに6億円出資
現場のKYやヒヤリ・ハット対策に、フラット型凸面機能ミラー
MRJの納入が延期される原因とは? 将来に向けて見えてきた課題Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造マネジメントの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム