Formlabsは、光造形(SLA)方式の最新技術であるLFS(Low Force Stereolithography)プロセスを搭載した新製品「Form 3」と「Form 3L」の2機種を発表した。
米国の3DプリンタメーカーであるFormlabsは2019年4月2日(現地時間)、同社の製品ラインアップに新たに「Form 3」と「Form 3L」の2機種を追加すると発表した。
両製品は、新たに開発した「Low Force Stereolithography(LFS)」と呼ばれる3Dプリントプロセスを採用する。
LFSは、従来機種「Form 2」と同じ光造形(SLA:Stereolithography Apparatus)方式でありながら、再設計したレーザーとミラーのカスタム設計システムを用いることで、液体樹脂から固体の等方性パーツをピンポイントで硬化させることが可能。この全く新しいアプローチであるLFS 3Dプリントにより、高品質かつスピーディーな造形を実現する。
LFS 3Dプリントは、モジュール式コンポーネントであるLight Processing Unit(LPU)により、正確かつ高密度なレーザー照射を可能とし、再現性の高い造形を短時間で行える。また、サポートも従来と比べて容易に除去でき、表面がより滑らかなパーツを手にすることが可能だという。
さらに、内蔵された20個以上のセンサーで稼働状態を監視することにより、理想的な環境を維持し、長期間にわたって安定したパフォーマンスを発揮する。造形開始については、本体の操作パネル上から行える他、Webシステム「Dashboard」を通じてリモートから実行することもできる。
Form 3の最大造形サイズは145×145×185mm。従来機種(Form 2)とBuild Platformは共通で、自動洗浄ツール「Form Wash」とUV硬化ツール「Form Cure」もそのまま利用可能だ。
一方、Form 3Lの最大造形サイズは200×335×300mmで、Build Platformは専用のものを採用する。Form 3Lは2つのLPUを搭載し、これらを同時に使用することで、Form 3の約5倍サイズ(体積比)の大規模造形を実現。レーザー光源を2つ備えているため、大型の造形物であっても高速なプリントが可能だとする。
販売価格は、Form 3が3499米ドル、Form 3Lが9999米ドル(日本での販売価格は未定)。両製品の日本を含むアジアパシフィック市場での展開は、2019年後半を予定する。
また、Form 3およびForm 3Lの発表に併せ、ラピッドプロトタイピングに最適な新素材「Draft Resin」を発表した。Draft Resinは、300μmの積層ピッチで造形可能で、標準的な樹脂と比較して3〜4倍のスピードで造形できるという。
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