ドローンなど複数センサー搭載機器への攻撃を検知するアルゴリズムを開発組み込み開発ニュース

三菱電機は、複数のセンサー搭載機器への攻撃を検知する「センサーセキュリティ技術」を発表した。センサーフュージョンアルゴリズム内に独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」を実装し、計測データの矛盾から機器への攻撃を検知する。

» 2019年02月28日 08時00分 公開
[MONOist]

 三菱電機は2019年2月7日、ドローンなど、複数のセンサー搭載機器への攻撃を検知する「センサーセキュリティ技術」を発表した。センサーフュージョンアルゴリズム内に独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」を実装し、計測データの矛盾から機器への攻撃を検知する。同社では、2020年度以降の事業化を目指す。

 近年、車載機器や生産設備、ドローンなどの自動制御方法として、複数のセンサーを統合してて計測データを取得するセンサーフュージョンアルゴリズムが採用されている。この方式は、センサーに対する超音波や電磁波を使った攻撃にも有効とされるが、攻撃への耐性や攻撃されやすい環境の提示が不明確だった。

 今回開発したセンサー攻撃検知アルゴリズムは、ドローンが自動制御に用いるジャイロ、加速度、コンパスに関する複数データの不整合(矛盾)から、悪意のある攻撃を検知する。センサーフュージョンアルゴリズムの計算過程の値を使うため、計算量や計測値の精度には影響を及ぼさない。ドローンへの超音波攻撃を再現したところ、42%以上のデータ不整合を攻撃として検知した。

 また、センサー内部の信号処理回路の一部としてソフトウェアを導入するため、既存のセンサー性能や構成の変更、追加のハードウェアも不要だ。複数センサーを搭載する自動制御機器へ容易かつ安価に導入できるとしている。

photo 「センサーセキュリティ技術」の適用例(クリックで拡大) 出典:三菱電機

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.