今回の事業統合の背景には、中国や台湾を中心とした海外の受託製造企業が、SIPや高密度モジュール部品をより効率よく製造するために、半導体後工程の複数プロセスと表面実装プロセスの統合を求めているという市場要求の変化がある。
加藤氏は「例えば、香港のASMは買収したシーメンスの表面実装機事業を中核に半導体後工程プロセスとの融合を進めている。表面実装機大手のFUJI(旧富士機械製造)も、ボンディング装置大手のファスフォードテクノロジを2018年8月に買収した。ヤマハ発動機と新川、アピックヤマダの3社が協力すれば、この市場変化に対応できると考えた」と説明する。また、ヤマハ発動機と表面実装機市場を争うパナソニックは、ボンディング装置をラインアップに持ち、次世代のダイシング技術といわれるプラズマダイシングで東京精密と協業するなどしている。
なお、事業統合を進める上で、常態的に赤字が続くなど業績が厳しい新川とアピックヤマダ、両社の事業構造改革も必須とみられる。新川は2008〜2017年度まで、2016年度を除いて営業赤字を計上。アピックヤマダも2012〜2017年度の6期のうち、黒字だったのは3期だけだ。
事業構造改革に向けた施策としては、共同開発プラットフォームモデルによる製品の統合、3社で国内外に展開する工場の最適化・統廃合などを検討していくとしている。
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