中小企業白書2018においては、経済産業省「平成28年企業活動基本調査」の他、「人手不足対応に向けた生産性向上の取り組みに関する調査」を用いて、中小企業におけるアウトソーシングの取り組み状況や実際に感じた効果などについて分析を行っている。
中小企業における既存業務のアウトソーシングの状況を見ると、実施企業は50.5%となっており、全体のうち14.1%が3年前に比べて積極化していることが分かる(図16)。他方、アウトソーシングを活用していない企業も約半数存在している。
このアウトソーシングの活用状況を人手不足感の程度別に見てみたい。人手が「大いに不足」と感じている企業においては、アウトソーシングに「取り組んでおり、3年前に比べて積極化している」割合が19.9%となっており、人手が「やや不足」または「ちょうどよい」と感じている企業と比べて割合が高くなっていることが分かる(図17)。人手不足感が強い企業においては、アウトソーシングという手段で一部の業務を外部に委託することで、業務の効率化を図っているものと推察される。
企業がアウトソーシングを活用する理由として最も回答割合が高かったのは、「受注の増加に対応できる」(47.1%)とした回答であり、続いて、「季節的な業務量の変動に対応できる」が40.8%となって続いた(図18)。なお「社内で実施するより、効率的に成果が得られる(28.3%)」「周辺業務を切り出すことで、従業員がコア業務に集中できる(24.1%)」のように、別の視点でアウトソーシングを活用する企業も存在することが分かる。
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