パナソニック エコソリューションズ社 ハウジングシステム事業部 建築システムBUの製造子会社がパナソニック エコソリューションズ内装建材である。そして床材生産の主力工場であり、木質エイジング技術の中心戦略工場となるのが、群馬工場である。
先述したように、建具や床材の市場は、全体的な数量ベースで減少が進んでいる一方で、ユーザーニーズの多様化が進み、さらに差別化を実現するような新しい技術の採用なども必要になる。こうした状況でモノづくり面ではどういうことが必要になるのだろうか。
パナソニック エコソリューションズ内装建材 工場長の千吉良隆之氏は「床材の市場成長が止まる中で、色や品種が増えているという状況がある。こうした状況に対応するにはいかに切り替えロスを少なくするかという点や、流れている状態をできる限り止めずに動かし続けるかという観点が重要になる。ロスを最小限にするという考え方だ」と述べている。
群馬工場はもともと1950年に東洋工業として創業を開始。1965年からパナソニック向けの床材の生産を開始し、1968年にパナソニックグループに入った。
床材の製造工程は基本的には、基材となる合板のカット、その表面に貼る表層材のスライスなどを行い、その後これらを貼り合わせてプレスする。その後、溝や実の加工、着色や塗装を行い、検査をして出荷という流れとなる。
これらの各工程における製造作業については、基本的には自動化が進んでいる。また工程間の搬送などについても多くの領域で自動でのつなぎ込みが行われており、効率化の面では進んでいるといえる。
そのため、現在取り組みを進めているのが、各種製造機械に対してセンサーの取り付けを広げ、加工や塗装状態のインライン計測や塗装の自動調整などである。製造工程を流れるワークの様子を常に監視できるようにし、品質の安定化と機械を止めない生産体制の構築を強化しているというわけである。
例えば、基材と表層材の貼り合わせから塗装や仕上げまでの工程では、7箇所でセンシングを行い、それぞれの品質の状態などを監視できるようにしているという。
検査工程などでは最終的に人手を掛ける領域なども存在する。「木を扱っていると機械的処理だけでは難しいところもある」(同社)としている。
千吉良氏は「製造のロスを最小化するためにさまざまな手法を考える必要がある。その意味でもまずはそれぞれの環境を見えるようにするために、センシングの種類や設置場所を増やすことが重要だ。流れている状態を維持し続けるシステムを作り上げていく」と述べている。
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