富士経済は、小型モーター8品目および関連部材の世界市場を調査した「精密小型モータ市場実態総調査 2018」を発表した。2025年の市場を2017年比18.0%増の167億220万個、同15.3%増の3兆9373億円と予測している。
富士経済は2018年10月31日、小型モーター8品目および関連部材の世界市場を調査した「精密小型モータ市場実態総調査 2018」を発表した(発刊は同年9月19日)。
同調査では、おおむね出力容量が0.7〜1kW以下の8品目の小型モーターについて、種別ごとに市場を集計しつつ、用途別、部位別に2017年実績と2020年予測の採用状況から採用が増加するものと減少するものを示した。8品目に該当するモーターは、DCブラシ付きモーター、ステッピングモーター、ファンモーター、ブラシレスモーター、インダクションモーター、シンクロナスモーター、ユニバーサルモーター、振動ユニットとなる。
小型モーター8品目の世界市場は、自動車関連や家電住設関連向けを中心としたDCブラシ付きモーターが堅調に伸びている。また、ブラシレスモーターの急速な成長、放熱用途のファンモーターやインダクションモーターの伸びも見込まれる。同社では、2025年の市場を2017年比18.0%増の167億220万個、同15.3%増の3兆9373億円と予測している。
小型モーターの主要用途に目を向けると、自動車関連向け市場は、EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)市場の拡大とともに増加。特にDCブラシ付きモーターは電装化で重要な役割を担っているが、近年、ポンプの電動化の進展により搭載が増えている。また、有力企業の中にはブラシレス化を進める動きも見られる。冷却ニーズの高まりからファンモーターの増加も予測される。
家電住設関連向けは、新興国需要の増加に伴い家電市場が拡大しており、その拡大傾向は続くとみられる。家電に搭載されるモーターの中でも、今後注目が集まると予測されるのはブラシレスモーターだが、DCブラシ付きモーターは比較的安価であり、技術が完成されていることから、引き続きニーズはあるものと予測する。
地域別市場は、今後も、小型モーターの生産は家電や自動車などを多く生産するアジアが中心となる。中でも家電の一大生産拠点である中国は、内燃車と比較してモーターの搭載数が多いEVにも注力しており、短納期、低価格などの要求から生産が多くなっている。
また、欧州や北米では、DCブラシ付きモーターのコアレスタイプやブラシレスモーターが主に生産されている。医療機器やロケット用途など、高付加価値品領域はスイス系メーカーが強く、日系メーカーの一部や高性能製品を製造できる中国系メーカーであれば競合可能としている。
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