西菱電機は、同社の電池レスで信号灯の状態を検知するIoTデバイスにより、織物製造工場の編み機の稼働状態を可視化する実証実験を実施。作業の段取りがスムーズになるなどの生産性向上が期待できることが分かった。
西菱電機は2018年10月3日、同社の電池レスで信号灯の状態を検知するIoT(モノのインターネット)デバイス「信号灯検知ユニット」により、織物製造工場の編み機の稼働状態を可視化する実証実験を実施したと発表した。
実証実験は、夜間に約100台の編み機のオペレーションを少人数で行っている、織物製造事業を営む第一ニットマーケティングで実施された。今回の実証実験は、編み機の稼働状態の把握を容易にすることでオペレーターの動線を改善したり、稼働時間データを稼働状態の分析に利用することを目的に5台の編み機を対象に行われた。
今回使用したデバイスは、編み機の稼働状態を表示する信号灯に入力される電圧の状態から、正常、通常停止または異常停止などの稼働状態を判別する、電池レスの信号灯検知デバイスだ。電圧で判別できない信号灯は、照度センサーを利用して判別する。各デバイスからゲートウェイまでは、電波干渉が起こりにくい920MHz帯を使用するEnOceanを採用した。
編み機ごとの稼働状態は、クラウドを通じて管理画面からオペレーターがリアルタイムで確認できる。
今回の実証実験より、オペレーターの熟練度に関わらず、次に作業するべき編み機を判別して、作業の段取りがスムーズにできるなどの生産性向上が期待できることが分かったという。
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