村田製作所は、「CEATEC JAPAN 2018」において、センシングデータプラットフォーム「NAONA」を用いて、会議室内の打ち合わせなど人と人のコミュニケーションの質を見える化するソリューションを提案した。
村田製作所は、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、幕張メッセ)において、センシングデータプラットフォーム「NAONA」を用いて、会議室内の打ち合わせなど人と人のコミュニケーションの質を見える化するソリューションを提案した。
NAONAは、雰囲気、人同士の親密度や共感度、人のモノへの注目度といった、人が感覚的に認知している「関係性情報」をセンシングし、データ提供することを目的としたセンシングデータプラットフォームである。関係性情報の基になるのは、360度マイクを組み込んだコミュニケーションセンサーで収集した音声データだ。この音声データを分析して音声特徴量(音量、テンポ、トーンなど)に変換し、関係性情報として活用する。
初披露となった前回の「CEATEC JAPAN 2017」では、同社ブース内における各展示の盛り上がりをヒートマップとして見える化していた。今回の展示は「“雰囲気を可視化する”というNAONAの特徴を、人と人のコミュニケーションの質を見える化するという形に仕立てて、より具体的な活用法をイメージしやすくした」(村田製作所の説明員)という。
展示では、「営業と顧客」「上司と部下」など2人の人の打ち合わせについて、会話量、発話回数、テンポ、声のトーンなどを分析して得られる感情値などをダッシュボードに表示。営業と顧客の事例では、会話量のほとんどを営業側が占めており、売り込みたいがために営業が一方的な説明に終始していることが分かる。また上司と部下の事例では、上司の方が会話量が多くてテンポも感情値も高いことから、一方的な指示に近い打ち合わせだった可能性があることが見て取れる。
また、対面での打ち合わせが可能な会議室を模したブースを設置し、打ち合わせの質をリアルタイムで見せるデモンストレーションも行った。
なお、NAONAでは、コミュニケーションセンサーによる音声データ以外のセンサーデータも活用する方針。クラウドにデータを上げるゲートウェイ「NAONA Edge」は、USBスティック型のさまざまなセンサーデバイスを組み込むこともできる。
さらに、センサーデバイスの将来的な展開例の1つとして、AI(人工知能)機能を搭載する低消費電力の小型IoTカメラを展示した。5m以内の近距離の人やモノの数、動きを検知できる組み込みAIを搭載しており、単三形電池で約1年間動作させられる。Bluetooth 5を用いた無線通信により、約1kmという長距離のデータ送信も可能だ。Braveridgeの低解像度のCMOS赤外線カメラとラティスセミコンコンダクターの小型FPGAを用いており、組み込みAIはACCESSの「NetFront EdgeAI」がベースになっている。
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