OA機器メーカーから自動車業界への転職が増えている理由モノづくり業界転職トレンド(1)(2/2 ページ)

» 2018年10月09日 09時00分 公開
[杉本恭子MONOist]
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自動車業界の魅力とは

 OA機器から自動車に移ったエンジニアの中には、自動車業界とOA機器業界の違いにとまどう人もいるそうだ。開発スパンがまったく異なるし、安全に対する取り組み方もレベルが違う。「特に自動車は、不具合が人の命に関わる可能性がある産業なので、いくらよい技術でもそのまま使えなかったり、検証に非常に時間がかかったりします。そういったギャップにジレンマを感じる方もいるようです」(関寺氏)。

 とはいえ転職した多くのエンジニアは、新たな業界での仕事に満足感を得ているという。OA機器業界出身のエンジニアにとって、自動車業界の何が魅力的なのか。

 1つは、自動車産業の成長性である。国内の自動車販売台数は、車離れなどもあって減少の傾向が見られるが、先進安全技術が使われている自動車に限ると販売台数はまだまだ伸びているし、世界的には市場は拡大している。また自動運転技術の向上によって安全性が高まれば、社会問題となっている高齢者の運転などに対する解決策ともなり、国内においてこれまでとは異なる需要が高まることも見込まれる。

 もう一つの魅力は、現在起こっている自動車業界のダイナミックな変化である。現時点の自動運転技術は、6段階(レベル0〜5)まで定められている中でレベル2が主流だが、完全な自動運転(レベル5)に向けて今後も技術が投入されていくため、エンジニアは自分のスキルを生かして新たな価値の創出に関わることができる。「そのダイナミックな変化の時代を業界内の一員として味わえることは、エンジニアにとって非常に面白いのではないかと思います」と関寺氏。

 加えて、自動運転技術が普及すればするほど、交通事故が減少するという統計もある通り、世の中にも貢献できる。とても魅力的な仕事であることは間違いなさそうだ。

関寺庸平氏 クイック 人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー

自動車業界を中心に、製造業の転職コンサルタントとして12年の実績。前職では上場メーカーで技術営業をしていたため技術者のキャリアに詳しく、電気・機械・ソフト系技術者の支援に強みを持っている。NHKや日経新聞に製造業の転職市場についてコメントを提供。

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