デジタル生産準備ツールの新版、製造情報の集約や表示に対応 : 製造ITニュース
富士通は、製品の組み立て工程を支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS」の新バージョン(V15L20)を発売した。実機作業のビデオ映像や作業実績の検査表などの製造情報の集約・表示に対応した。
富士通は2018年7月24日、デジタルプロセスが開発した、製品の組み立て工程を支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS(VPS)」の新バージョン(V15L20)を発売した。新たに、実機作業のビデオ映像、作業実績の検査表などの製造情報の集約・表示が可能になった。
VPSは、CADで作成した製品の3次元デジタルデータを活用し、製造用図面や組み立て手順、使用工具、組み立て作業に必要な工数、作業時の注意点などの製造関連情報を集約・表示する。作業に熟練していなくても、アニメーションで視覚的に組み立て手順を理解できる。
新バージョンでは、組み立て手順イメージのアニメーション内に、実際の作業を撮影したビデオ映像や作業実績・検査結果などを入力するためのドキュメントを埋め込み、表示、再生、更新が可能になった。作業者が組み立て手順を理解しやすくなり、その場で作業記録をドキュメントに残すことができる。
作業者のPCやタブレットから適切なタイミングで必要情報にアクセスし、参照・更新できる。これにより、効率的に製品の形状確認や製造フローの確認作業が行える。
さらに、組み立て部品の構成ツリー図、製造フローの確認時に表示するウィンドウのサイズ・配置などのレイアウトを記憶し、複数パターンを保存できる。ウィンドウの結合や切り離し、マルチディスプレイでの表示にも対応。システム利用者ごとに、使いやすいウィンドウにカスタマイズすることも可能だ。
販売価格は、組み立て動画が98万円、帳票出力が50万円、Standardが400万円、Viewerが9万8000円(1ライセンス単位、税別)。同社は、2020年度末までに50億円の売り上げを目指すとしている。
「VPS」の概要イメージ 出典:富士通
ドキュメント挿入イメージ 出典:富士通
モノを作らないモノづくりが進化、設計変更に柔軟対応
富士通は、デジタル生産準備ツール「VPS」の新バージョンを発表。設計変更などモノづくりの柔軟性に対応する機能を強化し、2020年度までに約50億円の売上高を目指す。
なぜ日本ではバーチャルなモノづくりが受け入れられないのか?
欧州ではモノづくりの現場でCAEを活用したバーチャルエンジニアリングが当たり前になりつつある。自動車の認証試験に「バーチャルテスト」を取り入れる動きも進んでいる。一方、日本ではバーチャルエンジニアリングの価値がなかなか理解されていないようだ。
いまさら聞けない「デジタルツイン」
デジタルツインというキーワードを、IoT活用やデジタル変革(DX)の流れの中で耳にする機会が多くなった。デジタルツインとは何か? について「5分」で理解できるよう簡単に分かりやすく解説する。
スマートファクトリー化で進む“モノづくり”の融合
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第22回となる今回は「スマートファクトリー化で進む“モノづくり”の融合」をテーマに、製造と設計の変化について説明します。
スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.