GEは2018年6月14日、日本国内における金属積層造形(3Dプリント、付加製造)事業「GEアディティブ」を本格始動すると発表した。同社の金属3Dプリンタの国内販売強化と併せ、金属3Dプリンタ(積層造形機)導入のコンサルティングサービスを提供する
GEは2018年6月14日、日本国内における金属積層造形(3Dプリント、付加製造)事業「GEアディティブ」を本格始動すると発表した。同社の金属3Dプリンタの国内販売強化と併せ、金属3Dプリンタ(積層造形機)導入のコンサルティングサービスを提供する。GEは現在、レーザー溶融法のCONCEPTLASER、電子ビーム溶解法のArcam、素材メーカーのAP&C社といった金属3Dプリンタ関連の企業を傘下に持つ。
2018年1月にはGEアディティブの日本統括責任者にトーマス・パン氏が就任し、同事業の準備に向けて動いてきた。同氏はその直前までは試作・小ロット部品の受託製造を行うプロトラブズの日本法人社長を務めており、2017年12月31日付で退職した。パン氏は2002年に3Dプリンタメーカー大手である3D Systemsの日本法人設立にかかわり、初代の代表取締役社長を務めた。
製品については、引き続き国内代理店経由で販売すると共に、直販体制も備える。GEにおける金属3Dプリンタの開発拠点である欧州・米国の知識発信も日本に向けて積極的に行っていく方針だ。
パン氏はレーザー式の金属3Dプリンタ3種について紹介した。販売中で最新の大型機種である「X Line 2000R」は最大造形サイズが800×400×500mm、1000Wのレーザー2つを実装する。全自動のパウダーリサイクル・供給システムを備え、2面式の造形と併せてパーツ取出エリアを回転させることにより24時間の造形に対応する。
金属3Dプリンタの「M Line Factory」はモジュラー式で各設備を組み立て・拡張可能であり、造形とパーツ取出コンテナを自動で密閉・入れ替えが可能だ。最大造形サイズは500×500×400mm。レーザーは標準で400Wのものを4つ備える。1000Wのハイパワーレーザーは4つ。M Line Factoryは2019年中の発売を目標としている。
「Project A.T.L.A.S.」はGEが現在開発中の超大型金属3Dプリンタのプロジェクト名である。最大造形サイズは□1.3mで既存最大モデルの約10倍程度、現在のβテスト時点における標準レーザーは1000W。製品出荷時には、1500Wのハイパワーレーザー4つを搭載する。特殊なパウダー積層方式を採用することで、既存モデル比で8割の材料節約が可能だという。同プロジェクト発の製品は2020年発売が目標だ。
コンサルティングサービス「AddWorks」はGE社内での活用実績をベースとしたものだ。金属3Dプリンタに取り組もうとする企業に対し、3Dプリンタによる造形だけではなく、設計から試作、量産までを幅広く支援することが特色だ。
2020年までの年間売上額は10億ドルを目標とする。2026年までに1万台の装置販売を目指し、GE内部のコスト削減効果としても50億ドルを見込む。
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