PTCジャパンは、PLMツール「Windchill」の最新バージョンで、Windchillで管理する3D CADデータからARデータを作成する機能を追加したと発表した。
PTCジャパンは2018年3月2日、東京都内で開催した記者向けの説明会で同社のPLMツール「Windchill」の最新機能を紹介。同年1月にリリースした最新バージョンの「11.1」において、Windchillで管理する3D CADデータからAR(拡張現実)データを作成する機能を追加したと発表した。
現在、Windchillは、PTCの3D CADツール「Creo」で作成した3D CADデータと同様に、他社製ツールの3D CADデータも標準で扱えるようになっている。例えば、ダッソー・システムズの「CATIA」「SOLIDWORKS」、シーメンスPLMソフトウェアの「NX」「Solid Edge」、オートデスクの「Inventor」「AutoCAD」などだ。
Windchillの操作メニューの「ARエクスペリエンスをパブリッシング」を選択すれば、対象の3D CADデータのARデータがPTCのサーバ上に作成され、併せて同社がThingMarkと呼ぶバーコードも出力される。このバーコードを図面などに印刷しておけば、スマートフォンアプリなどを使ってARデータを表示できるようになる。

「Windchill」による「マルチCADのARパブリッシング」。「ARエクスペリエンスをパブリッシング」を選ぶだけでARデータが作成される(左)。併せて「ThingMark」も出力される(右)(クリックで拡大) 出典:PTCジャパン今回の新機能は、Windchillで管理可能な3D CADデータであれば全てARデータを作成できるという。このため「マルチCADのARパブリッシング」(PTCジャパン 製品技術事業部 PLM技術部 営業支援部 プリンシパル テクニカル スペシャリストの有末晋也氏)としている。
この他、PTCでは、WindchillとIoTプラットフォーム「ThingWorx」を組み合わせた役割ベースのPLMアプリケーション「ThingWorx Navigate」で、ARデータを活用したデザインレビューを行うための新機能を追加する計画である。有末氏は「ARデータだけだと陳腐化してしまうが、3D CADデータ、PLMと連携することでさらに価値を生み出すことができるようになる」と述べている。
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