ユニアデックスら3社は、トンネルの掘削壁面を計測する実証実験を2018年1月から開始する。3次元形状処理技術を用いたシステムにより、より安全で正確なトンネルの施行管理、検査業務につながることが期待される。
ユニアデックスは日本ユニシス・エクセリューションズ、佐藤工業と共同でトンネルの掘削壁面を計測する実証実験を2018年1月から開始する。
実証実験は、三重県内の山岳トンネルで行う。トンネルの覆工コンクリートの内空(幅、高さ)、厚さ、吹付けコンクリートの体積を、3Dレーザースキャナーの計測点群IoT(モノのインターネット)データと設計データ(CADデータ)を用いて計測する。
3次元形状処理技術を用いた今回のシステムでは、掘削壁面の内空の計測点群IoTデータから、仮設構造物や重機械など関係のない不要点を設計データを用いて除外する。また、掘削壁面の測定だけでなく、覆工コンクリートの厚さ検査の自動化、補強に必要なコンクリートの体積を自動で計算できる。そのため、作業効率向上により作業員の負担が軽減され、より安全で正確なトンネルの施行管理、検査業務につながることが期待される。
実証実験の結果を踏まえ、同システムの開発を2018年3月までに完了する。その後もユニアデックスが提供するクラウドサービス上で、AI(人工知能)技術などを取り入れながら、掘削工程での安全対策強化や作業効率化を実現するシステムの開発を進める。
従来のトンネル掘削壁面の計測では、作業員が高所作業車などに乗りながらテープや巻き尺を用いて計測するなど、手間のかかる作業が主流だった。また、ICTを活用した光波測定器や3Dレーザースキャナーによる計測手法もあったが、ピンポイント計測の不可、データの計測密度のばらつきなどの課題があった。
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