新型「リーフ」は走行距離1.4倍の400kmに、2018年にはロングレンジ高性能モデルも電気自動車(1/2 ページ)

日産自動車が全面改良した電気自動車(EV)「リーフ」を世界初公開した。走行距離はJC08モードで400kmで、バッテリー容量30kWhの先代モデルから120km延長している。バッテリーパックのサイズは先代モデルと同等のまま、容量を40kWhに増やした。駆動用モーターの最高出力は従来の80kWから110kWに向上している。

» 2017年09月07日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
新型「リーフ」を世界初公開。日本での発売は2017年10月から(クリックして拡大)

 日産自動車は2017年9月6日、全面改良した電気自動車(EV)「リーフ」を世界初公開した。走行距離はJC08モードで400kmで、バッテリー容量30kWhの先代モデルから120km延長している。バッテリーパックのサイズは先代モデルと同等のまま、容量を40kWhに増やした。駆動用モーターの最高出力は従来の80kWから110kWに向上している。

 日本では2017年10月2日に発売予定で、税込み希望小売価格は315万円から。2018年にはバッテリー容量とモーター出力を向上させた高性能モデルも投入するが、「日常使いでバランスが良いのは高性能モデルよりもノーマルバージョンの方だ。高性能モデルはハイパワーのEVを楽しみたい人向けだ」(日産自動車 副社長で製品開発担当の坂本秀行氏)という。北米と欧州では2018年1月から販売を開始する。

 販売台数は「先代モデルの2〜3倍」(日産自動車 専務執行役員で日本事業担当の星野朝子氏)を見込んでいる。

EVとしての性能はもちろん、外観も大きく変化した(左、中央)アクセントカラーの青で電気自動車らしさを演出する(右)(クリックして拡大)

バッテリーパックのサイズはそのままに大容量化

日産自動車の坂本秀行氏

 新型リーフと先代モデルの役割の違いについて、坂本氏は「初代はEVを量産することが目標だったが、2代目である新型リーフはEVの特性を生かしたクルマとなることを目指した。EVの特性というのは、操作に対して無駄な間がなくリニアで、応答性が高いことだ。(運転支援機能で)先行車両に追従する時の加減速やコーナリングの制御にも、EVの特性が生きる。重心の低さを利用した運動性能もEVならではの特徴だ」と説明した。

 走行距離は、最初に先代モデルを発表した2010年12月時点では200kmだったが、2012年11月にバッテリー容量をそのままに228kmに延長した。2015年11月にはバッテリー容量30kWhのグレードを追加し、走行距離は280kmとなった。新モデルは400kmの走行距離を確保することで、遠出への不安を解消することを目指した。日本の一般的なクルマの使い方であれば、週に1度の充電で足りるという想定だ。充電頻度を減らすことにより、自宅に充電器を設置できないユーザーも取り込もうとしている。

リチウムイオンバッテリーの大容量化とモーターのトルク向上を図った(クリックして拡大)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.