同じく新設の「エンターテイメント」部門は、テーマを「笑(わら)ファブ」とし、対象はクリエイター(自由)となっている。このテーマが指す「笑い」とは爆笑に限らず、くすっとなる笑い、ほっこりとするほほえましい感じも含まれる。機能や性能そのものよりも、人の感情に働きかける作品を待つ。
同カテゴリーの審査委員長はSTARTUP CAFE KOZAや沖縄ミライファクトリーを運営する西村大氏、審査員にメイテックのモノづくり情報サイト「fabcross」編集長である越智岳人氏、デイリーポータルZの林雄司氏。
「デザインエンジニアリング部門」は、2016年度のコンテストでも募集した「3Dプリントエッグパッケージ」をテーマとする。高所から落としてもタマゴが割れないパッケージの性能を競う。落下時にタマゴが割れなかった証跡となるビデオと、実際の高さの測定値の提出が必要だ。
同カテゴリーの審査委員長は、デジタルモノづくりのコンサルタントとしてデジネル 代表取締役社長、デジタルアルティザン 代表取締役社長を務め、慶應義塾大学SFC研究所員でもある原雄司氏、審査員にデザイン・製品開発・3D CGのプロ集団であるアイディーアーツの代表取締役 米谷芳彦氏。
「夏休みの自由研究」以外の部門では、慶應義塾大学が運用する制作日誌共有システム「Fabble」を経由したレポート(レシピ)の提出・公開が必要だ。
3Dプリンタを所持しないユーザーは、北海道から沖縄まで、日本全国にある協力ファブ施設に支援を仰ぐことが可能だ。支援施設のリストは公式サイトに掲載されているので、各自で問い合わせしてみてほしいということだ。なお、公式サイトに掲載されている施設は2016年度コンテスト開催時点の情報であり、2017年度は50カ所程度に増える見込みだという。
授賞式は2017年11月23日、東京ミッドタウンで開催される「Open Research Forum 2017」のプログラム内で実施する。規模は2016年度よりも拡大して、懇親会も開催する予定だ。
なお2016年度の作品応募は直前の3日間に集中したといい、全部で74作品の応募があった。今回は100点超えを目標とするとのことだ。
「コンテストに興味はあるけれど、アイデアが湧いてこない……」という人のために、慶應義塾大学環境情報学部 教授の田中浩也氏が、コンテスト応募のための作品アイデア創出の心得を伝授する。
まず、作品応募の際に使用するFabbleの投稿を、料理のレシピ本を読む感覚で眺めてほしいという。日々登録されてくる面白い投稿を見れば、アイデアが自然と刺激される。
ぜひ、近所にある連携Fab施設に出掛けてみてほしいという。コンテストは施設スタッフとコラボして応募してもOKとのこと。スタッフと話すことで、自分だけでは思いつかないようなアイデアが生まれるかも。また、FAB施設では3Dプリント作品制作のワークショップや3D CADやCGの講座なども開催しているので、ぜひチェックしてみてほしいという。
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