日立産業制御ソリューションズは事業方針説明会を開催し、デジタルソリューション領域を強化する方針を発表した。スマート工場ソリューションなど、IT、OT、プロダクト、プラットフォームの4つの事業を組み合わせた新領域での成長を描く。
日立産業制御ソリューションズは2017年6月16日、事業方針説明会を開催しデジタルソリューション領域を強化する方針を発表した。
日立産業制御ソリューションズは、日立製作所グループにおける産業・流通ビジネスユニットに所属する子会社となる。コア技術として、システム制御技術と画像応用技術、組み込みハード・ソフト開発技術、計画・シミュレーション技術、無線応用技術などを保有しており、産業ソリューション、セキュリティ・画像ソリューション、システムエンジニアリング、組み込みエンジニアリングの4つを主な事業領域と位置付けている。
IoT(モノのインターネット)の進展により、従来は個別の技術として存在していたIT(情報技術)やOT(制御技術)を融合することが重要になってきている。その中で日立産業制御ソリューションズでは、ITとOTの両方の技術に関わってきた強みを生かし、IoTを含むデジタルソリューションを成長の原動力としていく方針である。日立産業制御ソリューションズ 取締役社長 木村亨氏は「従来培ってきたIT×OT×プロダクトを強みとし、4つの事業領域を横断する新しい価値の提案に注力していく」と方針について述べる。
具体的には、日立製作所の産業・流通ビジネスユニットとの連携なども推進し、特にスマートマニュファクチャリング、医療業界向けソリューション、経営支援ソリューションなどで力を発揮していく計画である。
特にスマート工場向けでは、以前から展開してきた設備管理システム「SmartFAM」を拡張し、MES(製造実行システム)や設備管理システム、ビッグデータ解析技術などを組み合わせ、工場全体の品質や生産性を向上するスマート工場ソリューション「Σ-Factory)」というコンセプトを打ち出す。
木村氏は「SmartFAMは既に約400サイトでの導入実績を抱えている。これらの顧客や導入実績を生かし、さらにビッグデータ解析などITの力を組み合わせて、工場の総合的なソリューションとして展開していく」としている。
既にSmartFAMの機能拡張は進めており、日報や検査結果、点検情報をスマーフォンなどモバイル機器に表示する「SmartFAM/Moblie」の提供を開始している他、2017年度からは設備稼働情報や設備イベントなどに対しアラーム発信などが行える「SmartFAM/Monitor」を製品化する。
その他、フィジカルセキュリティ統合プラットフォーム」なども展開。従来のセキュリティ用途のカメラ映像を画像処理機能などを組み合わせて、作業状況の収集や可視化を実現し、業務改善などに生かしていく方針だ。
これらの取り組みによる新領域を拡大することで、売上高は2016年度の775億円から2018年度には820億円に拡大する計画。木村氏は「伸びる売上高については、従来の4つの主力事業領域ではなく、事業領域を横断した新領域で生み出していく方針だ」と抱負を述べている。
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